タイトルからして「まさか、そういう意味じゃないよね?」と恐る恐る観ましたが、冒頭で「やっぱりそうか〜〜〜!」と衝撃を受けます。強烈なシーンからスタートするので、観客の興味をグッと引きつけることは間違いないのですが、それを維持するのが難しいところを、うまくドラマ性を交えて描いています。宣伝では、“純愛ダークファンタジー”とカテゴライズされているようですが、上手いこと表現しましたね!正直言うと、血しぶきが飛びまくるし、いろいろちょん切れるし、ホラー的な描写が満載なのですが、ラブストーリーと、人間ドラマと、ある意味ファンタジーの要素があり、ホラーに入れたくない気持ちもわかります。それはテーマが、“愛とセックス”だからだと思いますが、よくぞ、こういった設定に置き換えて描いたなと、そのセンスに驚かされます。ここまで極端だからこそ、「愛にセックスは必要か?」と究極の選択として考えられるんですよね。演技、演出、設定と、とてもエネルギッシュな作品となっていますよ。
これはデートで観てはいけません(苦笑)。特に男性は、冒頭から度肝を抜かれ、いろんな意味でプルプルと震えながら観ることになるでしょう。ぶっ飛んだ設定なので、同じシチュエーションだったら自分ではどうかという想像が難しい部分はありますが、やはり女性は主人公目線で、感情移入しやすいと思います。女友達と観るか、1人でじっくり観るのが良いですが、かなりヘビーではあるので、誰かを誘うなら、映画を観慣れている友達を誘いましょう。
R-18なので、18歳未満の人は観られません。18歳以上でもかなり強烈な内容なので、映画を観慣れていないと、ビックリするシーンが多いと思います。ホラー的な怖さもあるし、そういう描写も何度も出てくるのですが、エモーショナルな展開の中でいろいろなことが起きるし、主人公が高校生なので、皆さんの世代なりの感じ方があるように思います。年齢制限を超えていて、覚悟ができる人は観てみてください。性描写が多いので、1人で観るか、仲が良く気を使わない相手と観るのをオススメします。
『歯まん』
2019年3月2日より全国順次公開
R-18+
アルゴ・ピクチャーズ
公式サイト
©2015「歯まん」
TEXT by Myson