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パージ【レビュー】

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映画『パージ』イーサン・ホーク/レナ・ヘディ

1年に一晩だけ、殺人を含むどんな犯罪も合法となる“パージ”の日が、アメリカ全土で行われているなか、万全のセキュリティを施した家で静かにやり過ごそうとする家族が恐怖の体験をするというストーリー。殺し合うだけではなく、「今殺せば、お咎めなし」という状況を有効活用しようとする人達がいて、それがすごく身近な人だったり、思いもしない相手が襲ってきたりするのが本当に怖いです。すべての犯罪がこの一夜に集約され、普段の犯罪率が格段に下がると謳っていますが、裏では社会的弱者を排除しようとする身勝手で卑劣な合理主義が働いていて、観方によってはとても社会的なメッセージが込められた作品となっています。合法なら何でもやっちゃうっていう心理で、普段の恨みを晴らそうとしたり、相手を殺して解決しようとしたり、例えが“殺人”なので非現実的なストーリーに一見思えますが、私達が自覚している以上に、複雑な人間関係の中で生活しているということを、すごく身近に感じさせられます。

デート向き映画判定
映画『パージ』

豪快な暴力シーンが満載で、ユニークな設定ではありますが、とても過激なので、得意不得意が分かれる作品でしょう。ただ、自分が生きるか死ぬか、家族が殺されるかどうかという状況で、他の人の命をどう考えるのか、相手の態度に関わらず、どういう態度を取るのかという感想で、人柄を知られる部分もあるので、鑑賞後の会話ではお互いの価値観が見えるのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『パージ』

R-15なので15歳の人は観られません。観賞できる年齢になっても、合法だったら何でもやっていいということではないというのをわかって、観て欲しいと思います。こういう極限状態でこそ、人の真価が問われます。自分ならどうするか、どういう人間でありたいか、考えながら観ると、テーマの重みを実感できるでしょう。

『パージ』
2016年6月23日ブルーレイ&DVD発売、2015年11月26日レンタル開始
R-15+
NBCユニバーサル・エンターテイメント

©2013 Overlord Productions, LLC. All Rights Reserved.

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  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
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