REVIEW

ロン 僕のポンコツ・ボット

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ロン 僕のポンコツ・ボット』

スマホよりも高性能で友達まで探してくれる最新式ロボット型デバイス“Bボット”。主人公バーニーが通う中学校では皆持っているような状況です。誕生日を迎えたバーニーもようやく“Bボット(ロン)”を手に入れますが、初っぱなから故障している様子。最初バーニーはロンを返品しようとしますが、他の“Bボット”と違ったユニークな反応を見せるロンを手放すのをやめたことで、大騒動に発展します。
スマホよりも高度な最新技術が搭載されている“Bボット”は、自分にピッタリの友達まで見つけてくれて、子ども達にとって最初は夢のようなデバイスに見えます。でも、ポンコツなロンという存在が出てくることで、「友達って何?」という根本的な問題が提起され、現代社会の歪みに焦点が当てられていきます。ロンはプログラム的にはポンコツな部分がありますが、バーニーの友達を見つけるという役目は徹底します。その方法は時にズレていることもありますが、それは裏返すともしかしたら今の世の中で友達の定義ってこういうことだよと、私達の感覚こそがズレているのではないかと気付かせてくれます。
こう書くと説教じみたストーリーに思えるかもしれませんが、そんなことはないのでご安心を。純粋に友達を欲しがっていたバーニーが、唯一の友達ロンを守るために奮闘する姿がシンプルに胸を打ちます。そこから意外な展開が生まれるラストにはウルウルせずにはいられません。今や乳幼児から高齢者まで、スマホなどの高性能デバイスを使うことは当たり前になってきましたが、これは子どもや若者だけでなく、大人にとっても大事なことに気付かせてくれる内容です。

デート向き映画判定
映画『ロン 僕のポンコツ・ボット』

ネットを通じて見つけた友達、ネット上だけで繋がっている友達と、現代は交流を持てる機会が増えました。そんな関係も良いですが、本作はリアルな世界での付き合いに改めて焦点が当てられています。もちろんどちらが良くてどちらが悪いということではなく、人それぞれの価値観による部分ではありますが、カップルとしてはその点の価値観は近いと良いですよね。本作を一緒に観て、感想を述べあうとお互いにその部分の価値観がわかるのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ロン 僕のポンコツ・ボット』

キッズやティーンの皆さんにぜひ観て欲しい作品です。生まれた時からスマホやタブレットが周囲に当たり前にある状況の中で育つ皆さんにとって、友達の概念は大人とは異なると思います。だからこそ違った視点を知った上で、自分は友達とどんな関係を築いていきたいか、本作を観て改めて考えてみて欲しいと思います。人間が幸せに生きていこうとするならば、友達の存在は欠かせません。ネット上の友達だからダメ、リアルな世界の友達だから良いということではなく、上っ面だけの友達と本当の友達の違いを自分なりに考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

映画『ロン 僕のポンコツ・ボット』

『ロン 僕のポンコツ・ボット』
2021年10月22日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

※この作品はディズニーからのご招待を受け、試写会で鑑賞しました。

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『グッドワン』リリー・コリアス 『グッドワン』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『グッドワン』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行【レビュー】

「人生をやり直せるドア」が登場する点と、コリン・ファレルとマーゴット・ロビーが向かい合うキービジュアルから、恋愛をやり直すストーリーかと思いきや…

映画『サリー』エスター・リウ 『サリー』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『サリー』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『THE END(ジ・エンド)』ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン THE END(ジ・エンド)【レビュー】

REVIEWいつも通り観賞前にほぼ何も情報を入れず、登場人物はいつの時代にどこに住んでいる…

映画『シェルビー・オークス』 シェルビー・オークス【レビュー】

かつて繁栄しながらも今は廃墟と化しているシェルビー・オークスという町で…

映画『ナイトフラワー』渋谷龍太 渋谷龍太【ギャラリー/出演作一覧】

1987年5月27日生まれ。東京都出身。

映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド 悪魔祓い株式会社【レビュー】

本作は、『悪人伝』や“犯罪都市”シリーズ、ハリウッド映画『エターナルズ』などでお馴染みのマ・ドンソクが…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ 『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

映画『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 イクサガミ【レビュー】

今村翔吾著のベストセラー「イクサガミ」シリーズを原作とする本シリーズでは、岡田准一が主演、プロデューサー、アクションプランナー、藤井道人、山口健人、山本透が監督と脚本を担当…

映画『TOKYOタクシー』蒼井優 蒼井優【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月17日生まれ。福岡県出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー
  2. 映画『THE END(ジ・エンド)』ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン
  3. 映画『シェルビー・オークス』
  4. 映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド
  5. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一

PRESENT

  1. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  2. 映画『サリー』エスター・リウ
  3. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
PAGE TOP