REVIEW
『ロゼッタ』(1999)、『ある子供』(2005)でカンヌ国際映画祭パルムドール大賞を受賞したほか、数多くの名作を生み続けている、ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督とリュック・ダルデンヌ監督(以下、ダルデンヌ兄弟)が選んだ今回の主人公は、若き母親達です。本作には、それぞれに異なる問題を抱えた5人の母親が登場します。

ダルデンヌ兄弟ははじめ、一人の若い母親を主人公とした脚本のリサーチを目的に、リエージュ近郊の母子支援施設を訪れたといいます。でも、研修生が撮影した「共同生活の一部を記録した短いレポート映像をきっかけに、私たちは改めてこの施設を訪れ、より長く滞在し、若い母親たち一人ひとりの人生に近づくことにしました」と述べています。(映画公式資料)

まだ自分自身も子どもともいえる若い母親達は、施設から支援は受けていても、大きな不安を抱えています。1人は、母親に捨てられた苦しみを抱えています。もう1人は、施設を出れば薬物中毒に戻ってしまうかもしれないと恐れています。他の母親達も、パートナーや親に頼れる状況ではありません。そんななか、自分と赤ちゃんとの将来を考え懸命に生きる彼女達は、多くの苦しみを抱えつつ、最後には一筋の光にたどり着きます。そんな彼女達の逞しい姿を観て、こちらもとても救われます。

この世界の現実を生々しく突きつける描写は、さすがダルデンヌ兄弟です。一方で、世界はなんて冷たくて過酷なんだと絶望の淵まで見せつつも、ふとした瞬間に人生が好転する瞬間も見せてくれます。これでまた1つ、ダルデンヌ兄弟の名作が増えました。
デート向き映画判定

本作には、母親に協力するパートナーも出てくれば、無責任な態度をとるパートナーも出てきます。自分達2人だけなら成立していた関係が、子どもを含めた関係に変わっても続くとは限らない現実が描かれています。将来を共にすることを考えている相手がいたら、敢えて一緒に観て反応をうかがうのもアリでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

まだ自分自身が子どもだから、自分が子どもを持つなんて遠い未来の話だと思う方もいるかもしれません。でも、本作に登場するのは、皆さんに近い年頃の少女達なので、他人事にみえない部分もあるでしょう。ジェンダーレスな社会になりつつあるとはいえ、妊娠して出産するのが女性である限り、女性は特に人生を大きく左右されます。恋愛の先にある、あらゆる可能性を想像する機会に、本作を観てみてはどうでしょうか。

『そして彼女たちは』
2026年3月27日より全国順次公開
ビターズ・エンド
公式サイト
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© Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge) / Photo©Christine Plenus
TEXT by Myson
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情報は2026年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。





























