REVIEW
第一次世界大戦中の1916年、イギリス、ヨークシャーの架空の町ラムズデンを舞台にした本作は、町の合唱団のメンバー達の日常を描いた群像劇となっています。監督、プロデューサーを務めるのは、映画界、演劇界で、数々の功績を持つニコラス・ハイトナー。脚本は、テレビ、映画、舞台と幅広く活躍し英国を代表する劇作家、脚本家のアラン・ベネットが務めています。

主人公は、ドイツで音楽活動をしていたヘンリー・ガスリー博士(レイフ・ファインズ)です。ラムズデンの合唱団は、戦争が激化し、男性メンバーが次々と徴収されるなか、存続の危機に立たされていました。そこで、指揮者となり得る人物の選択肢として残されたのは、ガスリー博士でした。ただ、敵国ドイツにいたガスリー博士を迎え入れることは、周囲の反発を招く恐れがありました。

合唱団には、老若男女がいて、戦争によって失うものもさまざまです。そして、特に若い男性は、いつ自分が徴兵されるかわからない状況に置かれています。そうした状況で、合唱団は、合唱団という枠組みを超えて、人々のよりどころとなっているとわかります。現代に照らし合わせてみても、世代や性別をこえてつかず離れずの距離感で所属できるコミュニティは、各々の価値観に触れられる場として、存在意義があると感じます。

音楽史や、当時の音楽文化にも興味深い点があります。まず、この時代に著作権の概念が既にある点が興味深いです。そして、劇中で実在した名だたる音楽家達の名前が挙げられるなか、こんなにもドイツ人が多いのかと驚かされます。同時に、音楽を楽しむのに敵も味方もないと思うと、芸術そのものの存在意義も実感します。さまざまな視点でご覧いただきつつ、キャラクター達が披露する美しい歌声もご堪能ください。
デート向き映画判定

明日戦場に行くかもしれない若者達、戦争で離ればなれになった若者達の恋愛も描かれています。彼等の様子を観ると、連絡をとろうと思えばすぐに簡単に連絡をとれる、会おうと思えば会える状況は、いかに恵まれているかがわかるでしょう。だから、遠距離恋愛の方は少々現実味をもって考えさせられる面もありつつ、現代ならどうにでもなると前向きに考えるきっかけになるかもしれません。
キッズ&ティーン向き映画判定

本作に登場する、ロフティ(オリバー・ブリスコム)やエリス(テイラー・アットリー)はまだ17歳です。彼等は無邪気に明るく振る舞っているようでいて、戦場で自分がどうなるかわからない不安を抱えています。皆さんは、彼等と同世代だからこそ、何かしら感じたり、考えたりする機会にできそうです。

『ザ・コラール 希望を紡ぐ歌』
2026年5月15日より全国公開
ロングライド
公式サイト
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©GERONTIUS PRODUCTIONS LIMITED 2025
TEXT by Myson
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情報は2026年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。






























