REVIEW

明日に向かって笑え!

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『明日に向かって笑え!』リカルド・ダリン/ルイス・ブランドーニ/ベロニカ・ジナス

舞台は2001年のアルゼンチンの田舎町で、主人公のフェルミン(リカルド・ダリン)と町民達は共同で農業施設を作ろうと計画しています。彼らは何とか資金を集めますが、金融危機により預金が凍結されてしまい、さらにこの状況を悪用した銀行と弁護士にお金を騙し取られてしまいます。途方に暮れる町民達ですが、「やられっぱなしではいられない!」と悪人へのリベンジを心に誓います。物語自体はフィクションのようですが、実際に2001年にアルゼンチンで起きた金融危機を背景に描かれています。
まず、主人公のフェルミンをはじめとした町人達がとても個性豊かなキャラクターばかりで好感が持てます。田舎町が舞台ということで、町人達のリベンジ方法が手作り感満載で、皆で知恵を絞って作業していく姿にもクスッと笑えるシーンが多くあります。ただ、登場キャラクターが多いのでどれが誰だか把握するのに少々時間がかかりますが、中心人物を理解していれば問題なく物語についていけると思います。
また、本作では『瞳の奥の秘密』『人生スイッチ!』のリカルド・ダリンが主人公を演じており、その息子役としてチノ・ダリンが親子初共演している点もポイントです。人間ドラマとしても見応えがありますし、町人達のリベンジがどのように行われ、果たして成功するのか?ぜひ本編でご確認ください。

デート向き映画判定
映画『明日に向かって笑え!』リカルド・ダリン/ルイス・ブランドーニ/ベロニカ・ジナス

恋愛要素はほぼありませんが、田舎町の人々が悪人を成敗するべく、リベンジに燃える姿はとても痛快でスカッとするので、初デートや付き合いたてのカップルでも楽しめると思います。家族思いのフェルミンの姿や仲間同士の友情にも共感できるので、一緒に観たパートナーとの結束力も高まりそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『明日に向かって笑え!』リカルド・ダリン/チノ・ダリン

冒頭で起きる金融危機については、きちんと理解することが難しいかもしれませんが、何となく「お金がなくなったんだな」とわかれば十分です。アルゼンチンの金融危機については実際に起きたことなので、観賞後にぜひ勉強してみてください。物語としては、お金を失った町民達が協力してリベンジを計画する様子を皆さんでも楽しんで観られると思います。ただし、復讐は決して良いことではないので、映画の中だけで楽しんでくださいね。

映画『明日に向かって笑え!』リカルド・ダリン/ルイス・ブランドーニ/チノ・ダリン/ベロニカ・ジナス

『明日に向かって笑え!』
2021年8月6日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト

© 2019 CAPITAL INTELECTUAL S.A./KENYA FILMS/MOD Pictures S.L.

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  2. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  3. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  4. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  5. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP