REVIEW

かくかくしかじか【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『かくかくしかじか』永野芽郁/大泉洋

REVIEW

漫画が大好きで将来は漫画家になりたいと願い、光るものを秘めた女子高生が、とても厳しいけれどピュアで熱心な絵画の先生に出会い、紆余曲折しながら夢をつかんでいくストーリーです。本作は、人気漫画家の東村アキコ氏の実話である同名漫画を原作としています。
本作の魅力であり特徴は、主人公自身は極々普通の女子高生であり、大学生になっても根本は変わらず、最初から熱血だったわけではない点です。恩師の存在によって結果的に才能は開花するものの、途中までは追い込まれながらもなかなか自分ではエンジンがかけられずにもがき、ある時やっと目覚めるという展開は多くの人が経験する状況で、すごく親近感が湧きます。生きていれば、さまざまな誘惑があり、“逃げ場”があります。それは皆に共通しています。だから、多くの人はよそ見をしている間に夢を追いかけるのを忘れたり、思いが薄れて、諦めていくのだなと感じます。

映画『かくかくしかじか』永野芽郁

本作では、恩師からかけられる激励や期待が、主人公にとって夢を諦めないでいる手綱の役割を担果たしているように見えます。本作を観ると、若い頃、特に思春期に良い大人に出会うことはとても大切だなと実感します。最初から自分を律して夢を叶える人ももちろんいる一方で、まだ子どものうち、若いうちは、自分よりも自分をよくわかってくれて支えてくれる大人がいるのといないのとでは大きな違いがあると思います。

映画『かくかくしかじか』永野芽郁/大泉洋

大泉洋が演じる日高先生が本当に素敵で、こんなに純粋に熱心に指導してもらい、巣立った後まで気にかけてもらえたら絶対に裏切れないと感じます。そして、恩師の思いを感じつつも、大学時代には学生生活を謳歌しつつ、一方でなかなか画が描けないことに焦りを感じ、漫画家になる夢に打ち込むきっかけも掴めないでいる主人公にもとても共感できます。

映画『かくかくしかじか』大泉洋

東村アキコ氏がとても大切にしている作品だと聞いていたし、実際に観て、自分にとっても大切なメッセージを自分に必要なタイミングでもらえたと感じました。だから、どうしてもこの作品を紹介したいと思いました。タイミングは各々あると思いますが、いつかはぜひ観て欲しい1作です。

デート向き映画判定

映画『かくかくしかじか』永野芽郁/神尾楓珠

ロマンチックな展開は爽やかにチラッと出てくる程度で、どんな関係性のカップルでも観やすいと思います。人生を大きく変えるきっかけとなった、多感な高校生からの9年間を描いているので、一緒に観た後はお互いの思い出話もしたくなるでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『かくかくしかじか』永野芽郁/見上愛

ティーンの皆さんは等身大で観られる点が多くあると思います。やりたいことがあって、その夢を叶えるためにどんな道を辿るのかちょうど悩んでいる方もいるでしょう。人それぞれなので正解はないし、主人公もうまくいかない期間のほうが長い点は、とても現実的なお手本として観られると思います。

映画『かくかくしかじか』永野芽郁/大泉洋

『かくかくしかじか』
2025年5月16日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©東村アキコ/集英社 ©2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『遠い山なみの光』吉田羊 吉田羊【ギャラリー/出演作一覧】

読み:よしだ よう2月3日生まれ。福岡県出身。詳しいプロフィールは→『遠い山なみの…

海外ドラマ『エイリアン:アース』海外ドラマ『エイリアン:アース』 エイリアン:アース【レビュー】

めちゃんこおもしろくて、あっという間に全話鑑賞。“エイリアン”シリーズとしていえば…

AXA生命保険お金のセミナー20251106 スイーツを食べながらゆったり学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】女性限定ご招待!

漠然とただ心配するのはやめて、一度お金について一緒に学んでみませんか? セミナーの前に、映画ミニトークも行います。街並みが一新された虎ノ門で、気負わずに、みんなでスイーツを一緒に食べて楽しみながら、ゆったりと学ぶ機会にぜひご参加ください。by マイソン

映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』レオナルド・ディカプリオ ワン・バトル・アフター・アナザー【レビュー】

クセが強くて、クセになる!本作では、カンヌ、ベネチア、ベルリン、世界三大映画祭を制覇したポール・トーマス・アンダーソン監督と、3人のオスカー俳優の夢のタッグが実現…

映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太 『愚か者の身分』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『愚か者の身分』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『こんな事があった』前田旺志郎 前田旺志郎【ギャラリー/出演作一覧】

2000年12月7日生まれ。大阪府出身。

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「大学生のうちに観るとよい作品は?」「好きなことと異なる仕事をするモチベーションの保ち方って?」

今回も、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、…

映画『プロセキューター』ドニー・イェン プロセキューター【レビュー】

ドニー・イェンが監督、製作、出演の法廷劇と聞いただけでも意外に思いつつ、宣伝では“法廷アクション”と謳っているので…

映画『8番出口』花瀬琴音 花瀬琴音【ギャラリー/出演作一覧】

2002年4月22日生まれ。東京都出身。

映画『ラスト・ブレス』ウディ・ハレルソン/シム・リウ/フィン・コール ラスト・ブレス【レビュー】

奇跡としかいいようのない出来事を描いた本作は、実話に基づいているというから本当に驚き…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ:アイキャッチ1/本の上の犬と少女 AI時代を生き延びる人間力を磨く【映画学ゼミ】開講!一緒に学ぶ仲間を募集!

この映画学ゼミでは、時代に翻弄される側ではなく、時代の波を乗りこなす人間力を磨くために、あらゆる角度から映画を通して、自分、他者、人間、社会に対する理解を深めることを目的としています。そして、物理的に孤立しやすい環境が増えた現代だからこそ、皆さんが楽しく集まれる場所になれたら嬉しいです。

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. AXA生命保険お金のセミナー20251106
  2. 映画学ゼミ:アイキャッチ1/本の上の犬と少女
  3. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃

REVIEW

  1. 海外ドラマ『エイリアン:アース』海外ドラマ『エイリアン:アース』
  2. 映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』レオナルド・ディカプリオ
  3. 映画『プロセキューター』ドニー・イェン
  4. 映画『ラスト・ブレス』ウディ・ハレルソン/シム・リウ/フィン・コール
  5. 映画『テレビの中に入りたい』ジャスティス・スミス/ジャック・ヘヴン

PRESENT

  1. AXA生命保険お金のセミナー20251106
  2. 映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太
  3. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
PAGE TOP