REVIEW

#拡散【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『#拡散』成田凌/沢尻エリカ

REVIEW

SNSによって情報拡散が容易になった現代では、新型コロナウィルス感染症によるさまざまな混乱も根深い問題に発展しました。その一つはワクチンに対する考え方です。本作は、妻を突然失った男性が、妻の死と新型コロナウィルス感染症予防ワクチンの関連を疑い、思わぬ事態を引き起こすストーリーとなっています。

映画『#拡散』淵上泰史/山谷花純

富山県の小さな町に暮らしていた浅岡信治(成田凌)は、妻の明希(山谷花純)を突然亡くしてしまいます。明希が亡くなる前日、明希がワクチンを接種する際に立ち会っていた信治は、ワクチンのせいで明希が亡くなったといって医師の髙野(淵上泰史)を責めます。そして、信治は毎日明希の遺影を持って、髙野が営むクリニックの前に立ち続けます。そんな信治を目撃した地元の新聞記者の福島美波(沢尻エリカ)は、記事で取り上げようと近づきます。

映画『#拡散』成田凌/沢尻エリカ

前述のように出来事だけでみると、信治が妻思いの夫のように思えるでしょう。でも、夫婦仲が良かったのかどうかは、観る方によって印象が異なると思います。むしろ、それがはっきりしないうちに明希が亡くなってしまうという展開が、後の展開に効いてきます。

映画『#拡散』沢尻エリカ

信治が極普通の人間で、強い信念があるように見えない点は、知らず知らずのうちにネットやSNSに翻弄される人々を象徴しているように映ります。そして、信治や信治の周りに“群がる”人達を観ていると、現代社会における人と人との繋がりは歪になったと実感します。また、ネットの世界が主なのか、生身で暮らしている世界が主なのか、境界線は曖昧になったと同時に、人によってはネットの世界が主(=その人にとっての“現実”)という人も存在し得る社会になったと感じます。

映画『#拡散』淵上泰史/DAIKI/高山孟久

コロナ禍は、対面で人と人とが繋がる機会が強制的に断たれたため、ネット社会の功罪がクッキリと表れた時期ともいえます。そこから徐々に以前の生活を取り戻すなかで、私達の選択を問い、警鐘を鳴らす要素を本作に感じます。

デート向き映画判定

映画『#拡散』山谷花純

夫婦関係の明るい面、美しい面が描かれているわけではなく、主人公夫婦それぞれの本心も見た目だけでは読み取れないので、デートで観るとお互いにどんな反応になるのかが未知数です。ただ、観終わった後に感想を語ると、各々のネット社会との向き合い方がわかりそうなので、お互いの価値観を知る機会にできそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『#拡散』成田凌/DAIKI

ネット社会を俯瞰できる内容なので、反面教師にできる事例を複数観られます。ワクチンに反対派、賛成派の間で議論が起こっているようでいて、騒ぎにのっている人達が本当に求めているものは別のところにあるのかもしれません。社会問題に真剣に向き合っている人なのか、ただ流行に乗りたいだけの野次馬なのか、情報を発信する側と合わせて、情報に反応している人達の本質にも目を向けて、自分ならどうするかを判断する機会として観てみるのも良いでしょう。

映画『#拡散』成田凌/沢尻エリカ/淵上泰史/山谷花純/赤間麻里子/船ヶ山哲/鈴木志音/DAIKI/MIOKO/高山孟久

『#拡散』
2026年2月27日より全国公開
ブシロードムーブ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2026年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ/チン・ソヨン 大丈夫、大丈夫、大丈夫!【レビュー】

不幸な状況が前提とされているにもかかわらず、ユーモアに溢れ…

映画『OCHI! -オチ-』ヘレナ・ツェンゲル ヘレナ・ツェンゲル【ギャラリー/出演作一覧】

2008年6月10日生まれ。ドイツ出身。

映画『炎上』森七菜 炎上【レビュー】

日本の都会のど真ん中にいるストリートチルドレンの日常を描いた作品…

映画『29歳からの恋とセックス』グレタ・ガーウィグ 未公開映画活性課ナ行

未公開作品のなかから、当部が気になる作品、オススメしたい作品をご紹介。

映画『ハムネット』ジェシー・バックリー ハムネット【レビュー】

REVIEW『ハムネット』という響きから、もしかしてあの名作に何らかの関係があるのかもしれ…

映画『終点のあの子』南琴奈 南琴奈【ギャラリー/出演作一覧】

2006年6月20日生まれ。埼玉県出身。

海外ドラマ『華麗なるマードー家』パトリシア・アークエット/ジェイソン・クラーク 華麗なるマードー家【レビュー】

2021年6月7日、アメリカのサウスカロライナ州の法曹界で代々名を馳せてきたマードック家のアレックス・マードックが、妻と次男を射殺した実際の殺人事件を基にしています…

映画『プラダを着た悪魔2』来日スペシャルイベント:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ メリル・ストリープ&アン・ハサウェイがK(& TEAM)や日本の若者に熱い言葉『プラダを着た悪魔2』来日スペシャルイベント

20年経っても絶大な人気を誇る『プラダを着た悪魔』の続編がまもなく公開!そして、この度、アン・ハサウェイとメリル・ストリープが揃って来日してくれました。

映画『ソング・サング・ブルー』ヒュー・ジャックマン/ケイト・ハドソン ソング・サング・ブルー【レビュー】

演技力だけでなく、歌唱力にも定評のあるヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンが主演を務める本作は…

映画『ダメ男に復讐する方法』キャメロン・ディアス/レスリー・マン/ケイト・アプトン 未公開映画活性課タ行

未公開作品のなかから、当部が気になる作品、オススメしたい作品をご紹介。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第7回】「そもそも感情ってどうやって湧いてくるの?感情の仕組み」参加者募集! 【映画学ゼミ第7回】「そもそも感情ってどうやって湧いてくるの?感情の仕組み」参加者募集!

感情はまだまだ謎が多く、本当に複雑で深い概念だからこそおもしろい!感情について少しでも知ることで、自分自身の情動コントロールにも少し役立つはずです。

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』 私ならこうする!『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』を観た女子の本音

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』をトーキョー女子映画部正式部員の皆さんに観ていただき、感想や「私ならこうする!」を聞いてみました。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第7回】「そもそも感情ってどうやって湧いてくるの?感情の仕組み」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ/チン・ソヨン
  2. 映画『炎上』森七菜
  3. 映画『ハムネット』ジェシー・バックリー
  4. 海外ドラマ『華麗なるマードー家』パトリシア・アークエット/ジェイソン・クラーク
  5. 映画『ソング・サング・ブルー』ヒュー・ジャックマン/ケイト・ハドソン

PRESENT

  1. 映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ
  2. 映画『ミステリー・アリーナ』唐沢寿明
  3. ドラマ『外道の歌 SEASON2』窪塚洋介/亀梨和也/南沙良
PAGE TOP