REVIEW
“ヌーヴェルヴァーグ”(日本語に訳すと「新しい波」)とは、「1950年代後半のフランスで台頭した新世代の監督たちが、既存のルールに縛られず、むしろ抗うようにノンプロ俳優を起用し、自由な発想によるロケーション撮影と即興演出を実践していった映画運動」(映画公式資料)です。

劇中では、この時代の映画人達が一同に登場します。映画史に名を刻む人達が次々と登場するたびに、改めて本当にすごい時代だったのだなと実感します。そして、同じ時代にいたからこそ、お互いに刺激を与え、相乗効果が働いたのかもしれないなと想像できます。

物語の舞台は、フランソワ・トリュフォーが長編デビュー作『大人は判ってくれない』で、カンヌ国際映画祭監賞賞を受賞した1959年です。映画評論家のジャン=リュック・ゴダール(ギヨーム・マルベック )は、まだ映画を撮ったことがありませんでした。そんななか、念願の長編映画を撮る機会に恵まれます。そして、初の長編映画『勝手にしやがれ』を20日間で撮ることに。でも、独特なスタイルの撮影に周囲は振り回されてしまいます。

本作を観ていると、劇中に登場する映画人達の姿を通して、リチャード・リンクレイター監督の映画愛がヒシヒシと伝わってきます。だから、観ているこちらもジーンときます。リンクレイター監督は本作について下記のように語っています。
これは『勝手にしやがれ』のリメイクではない。 ただ、別の角度から見てみたいだけだ。1959年にカメラを持って飛び込み、時代、人々、空気を再現したい。ヌーヴェルヴァーグの連中と一緒に過ごしたい。 僕は俳優たちにこう言った。 君たちは時代劇を演じているわけじゃない。今を生きているんだ。ゴダールは有名な評論家だが、監督は初めて。彼と一緒に撮影するのは楽しいが、本当にこの映画が完成するのか、不安でもある(映画公式資料)

まさにこの言葉通りに表現された映画になっています。また、監督や俳優だけではなく、さまざまな役割を担うスタッフ達にもカメラを向けている点が印象的です。こうしたところに、すべての映画人に向けられたリスペクトを感じて、一層共感を覚えます。

そして、メモをとりたくなる名言もたくさん出てきます。1回目は集中して観て、2度目はメモを取りながら観るのもアリですね。映画好きには特に見逃せない1作です。
デート向き映画判定

フランス映画やクラシックな作品も含めて映画に深い興味を持つ方同士なら、一緒に観ると、鑑賞後の会話も弾みそうです。映画史に名を残す監督や俳優が多く登場するので、当時作られた作品も観てみたくなるでしょう。本作鑑賞を機に、2人でクラシック作品の数々を一緒に観る約束をするのも良いですね。
キッズ&ティーン向き映画判定

芸術で革命を起こすなら、ときに型破りな方法も必要かもしれません。情報が溢れる現代では他の人がどうやっているのかがすぐに調べられるので、オーソドックスな方法を真似することは容易です。でも、唯一無二になりたいなら、自分にしかできない方法を探して実行するのみ。そういった刺激をもらえる作品です。

『ヌーヴェルヴァーグ』
2026年7月10日より全国公開
AMG エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2026年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。





























