REVIEW

望み

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『望み』堤真一/石田ゆり子/岡田健史/清原果耶

『望み』というタイトルの意味は何なのかと思っていたら、これが究極の2択であることを知ったところで、とてつもない絶望に引き込まれます。本作は、思春期ということと好きなサッカー部を辞めざるを得なかった現状が重なり、何らかの悩みを抱えていた長男が、ある日突然姿を消したことで、家族の思いがバラバラになっていく様を描いています。でも、家で帰りを待つ家族全員が彼を思っていて、どちらの思いも間違ってはいません。その点でキャラクター達の苦しさもさらに増すのですが、結末がどちらに転んでも悲しいとわかっているからこそ、彼等から目が離せません。ただ、それほどの絶望の中にキャラクターと観客を放り込んでも、最後には救いを描いている点が本作の素晴らしいところです。子育ての大変さ、愛する人を信じることの大変さを体感できる作品で、良い意味で体力を消耗しますが、本作はとても大切なことを教えてくれます。

デート向き映画判定
映画『望み』堤真一

本作を観ていると、「長男が○○であって欲しい」という2つの思いで揺れ動くはずです。そこに価値観、人生観が表れると思いますが、どちらも間違っていないと思います。だからこそその違いを埋めるのは大変で、同時にその違いがあるからこそ、2人が一緒にいる意味もあるのかなと思えるストーリーになっています。本気で付き合っていて、一生を共にしたいと思っているカップルはぜひ一緒に観てください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『望み』堤真一/石田ゆり子/清原果耶

キッズやティーンの皆さんは、長男や長女の目線で本作を観ると思います。等身大の悩みも出てくるので、他人事とは思えない部分もあるでしょう。皆さんも悩みを抱えると、家族に言いたくないことが出てくるかも知れません。でも、トラブルに巻き込まれたら、自分だけで解決しようと思わないで、家族を頼ることも必要です。いろいろなことを客観視できる作品なので、ぜひ若い皆さんにこそ観て欲しいです。

映画『望み』堤真一/石田ゆり子/岡田健史/清原果耶

『望み』
2020年10月9日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト

© 2020「望み」製作委員会 

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  2. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  3. 映画『果てしなきスカーレット』
  4. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  5. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP