REVIEW

10DANCE【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太

REVIEW

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也と杉木信也という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公です。鈴木信也(竹内涼真)はラテン部門の日本チャンピオン、杉木信也(町田啓太)はスタンダード部門の日本チャンピオンかつ世界2位という実力を持っています。そんな2人が“10ダンス”という競技に挑みます。

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/土居志央梨

“10ダンス”とは、ラテン5種とスタンダード5種の全10種目を1日で踊る競技ダンスです。セリフにも出てくる通り、勝ち抜くと4回戦×10曲で合計40曲を1日で踊ることになり、かなり過酷な競技といえます。杉木は鈴木ペアをこの10ダンスに誘い、お互いが得意の部門を教え合い、一緒に出場することを目指します。

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真

でも、鈴木は杉木を気に食わない奴と思っていて、プライドの高い2人は最初ギクシャクしています。ただ、それぞれの部門を極めた才能とセンスに徐々に認め合うようになります。そして、2人の間に特別な感情が芽生えていきます。

Netflix映画『10DANCE』町田啓太

原作はBL漫画に位置付けられているものの、個人的にはもっとさまざまな要素を孕んだ特別な関係に思えて、BLという“ジャンルもの”と捉えられて終わると少々もったいないなと感じます。本作の冒頭で引用されている「愛とは、二つの肉体に宿る一つの魂である」というアリストテレスの言葉から想像すると、杉木と鈴木は2人で1人のような関係であると同時に、別々の存在となった相容れない関係でもあるように思います。そんな関係が2人のやり取りに表れていて、もどかしいようでいて清々しく感じます。

Netflix映画『10DANCE』町田啓太/石井杏奈

そして、本作の見どころは何といってもダンスシーンです。竹内涼真、町田啓太、土居志央梨、石井杏奈が披露するダンスのレベルの高さに驚きます。竹内涼真はプロサッカー選手を目指すほどのスポーツマン、町田啓太はダンスを特技とし(劇団EXILE公式サイト)、石井杏奈はE-girlsとしても活躍するダンサー、土居志央梨はクラシックバレエ歴16年と、もともと身体能力が高く、ダンスの素養がある俳優をキャスティングしているとはいえ、日本チャンピオン、世界2位のダンサーという役柄を演じる上では並々ならぬ努力があったのだろうなと、ダンスシーンから伝わってきます。

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太

また、ラテンダンスのエロティシズムを表現する上で、竹内涼真が肉体美を披露するシーンがふんだんにあります。彼の肉体美からも役作りにかけた気合いが感じられます。ストーリーはもちろんのこと、ダンスシーンも堪能できるので、ショーを観る感覚でもお楽しみください。

デート向き映画判定

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太

熱い思いをぶつけ合うラブシーンも出てくるので、カップルで観ると気恥ずかしく思うかもしれません。一つのことに思いをかけるキャラクター達の姿も印象的なので、何かに打ち込んでいる方は1人でじっくり観ながら、自分のモチベーションを上げる機会にするのもアリでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太/土居志央梨/石井杏奈

本作で描かれるのは、好きだから付き合う、というだけの愛ではないので、キッズやティーンの皆さんの目にどう映るのかは未知数です。感覚としてわかるという方もいれば、大人になってから観た時にわかるという方もいるかもしれません。一方、習い事やスポーツなど、既に競争社会にいる方にとっては、常に挑戦する立場として共感する部分があるのではないでしょうか。

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太

『10DANCE』
2025年12月18日よりNetflixにて配信中
公式サイト

TEXT by Myson


「10DANCE」井上佐藤 著/講談社
Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー ジェイ・ケリー【レビュー】

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが…

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太
  2. Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー
  3. 映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ
  4. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  5. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP