REVIEW

ジェイ・ケリー【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー

REVIEW

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが集結した本作は、ノア・バームバックとエミリー・モーティマーの共同脚本で作られました。監督はバームバックが務めています。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー

主人公のジェイ・ケリー(ジョージ・クルーニー)は、大物人気俳優として確固たる地位を築き、わがまま放題に振る舞っていました。でも、親しくしていたピーター・シュナイダー監督(ジム・ブロードベント)が亡くなったのをきっかけにこれまでの人生を振り返ります。そして、突然あらゆる予定をひっくり返し、次女の旅行先に出向くと言い出します。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー

本作は、タイトルにもなっているジェイ・ケリーを主人公とした物語でありつつ、ジェイをそばでずっと支えてきたロン(アダム・サンドラー)やリズ(ローラ・ダーン)、キャンディ(エミリー・モーティマー)等、映画業界の裏方の人々を含めた群像劇ともいえます。だから、ジェイに感情移入して観る方もいれば、ジェイに振り回されてプライベートを犠牲にしてきた裏方の面々に感情移入する方もいるでしょう。本作を観ていると、バームバック監督やスタッフ、キャスト達皆が本作を作りながら、自分達のキャリアも見つめ直したのだろうなと想像しちゃいます。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/ライリー・キーオ

キャラクター達には、プライベート、特に家族との時間をあまり作れなかったことに後悔が見える一方で、やっぱり仕事愛もうかがえます。最終的にどんなクライマックスで締めくくるのかが本作の最大の見どころといえるでしょう。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/ビリー・クラダップ

そして、もう一つの大きなテーマは俳優という職業の複雑さです。一つに、ジェイと、かつて共に俳優を目指したティモシー(ビリー・クラダップ)の対比は、俳優という職業で生きていく難しさを物語っています。ここで注目して欲しいのは、酒場でティモシーが、メソッドでメニューを読む(感情が湧くはずがない料理名を感情的に読む)シーンです。観ると、ビリー・クラダップの演技力に驚かされるはずですよ。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ビリー・クラダップ

また、冒頭に映し出される、詩人で小説家のシルヴィア・プラス(1932-1963)の「自分でいることは重圧。他人か名無しでいるほうが楽だ」という言葉が本作で描かれるテーマすべてを物語っていて、俳優だけではなく、一般庶民が生きていく上でも同じことがいえる気がして胸に刺さります。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー

昨今、働き方に関する社会通念は変わりつつあるなか、本作のキャラクターと同じようにキャリアを振り返る方も多いのではないでしょうか。さまざまなキャラクターを通して、自分に合う価値観を見つめ直すきっかけに観てみてはいかがでしょうか。

デート向き映画判定

Netflix映画『ジェイ・ケリー』アダム・サンドラー/ローラ・ダーン

ちらっと恋愛要素が出てくるものの、主軸ではないので、ラブストーリーの展開に気まずくなるということはありません。一方で仕事か家族かと悩むキャラクターが複数登場するので、共通点を感じるキャラクターを観ているといろいろな考えが頭を駆け巡る可能性はあるでしょう。また、自分の人生を振り返る要素が強いストーリーという点も踏まえると、1人でじっくり観るほうが良いのではと感じます。

キッズ&ティーン向き映画判定

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/ライリー・キーオ

ジェイやロン、リズなどを観ていると、今の大人達がこれまで仕事場でどんな状況に追い込まれてきたのかを想像しやすくなるでしょう。一方で皆さんにとっては、現代の価値観には合わないと実感することになるかもしれません。家族が仕事で忙しい家庭なら、敢えて一緒に観てみると、お互いにどう考えているのかを話し合う機会にできそうです。

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー

『ジェイ・ケリー』
2025年11月21日より一部劇場公開/12月5日よりNetflixにて配信中
公式サイト
Netflixで観る

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『左利きの少女』ニーナ・イエ かわいいだけじゃ務まらない!名子役特集Vol.4

今回も、主役から脇役まで存在感を大いに発揮している名子役をご紹介します!

映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』パンツェッタ・ジローラモ 『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』キャスト&監督登壇!先行プレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』先行プレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『平行と垂直 』安田章大/のん 平行と垂直【レビュー】

主演の安田章大にとって初の企画作品ともなる本作は、自閉スペクトラム症の兄、大貴(安田章大)と、妹の希(のん)の物語です…

映画『オークストリートの異変』アン・ハサウェイ/ユアン・マクレガー オークストリートの異変【レビュー】

本作が斬新なのは、日常に突如恐竜が入り込んでくる点です。文字どおり、家に恐竜が来ちゃうんです…

映画『私はあなたを知らない、』坂口健太郎/堀田真由/倉田瑛茉 私はあなたを知らない、【レビュー】

坂口健太郎が主演の中野量太監督作という情報のみで観たいと思い、ポスタービジュアル、あらすじ、キャッチコピーすら目にすることなく本編を拝見しました…

映画『Mr.ノボカイン』ジェイコブ・バタロン ジェイコブ・バタロン【ギャラリー/出演作一覧】

1996年10月9日生まれ。アメリカ出身。

映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春 『さとこはいつも』キャスト登壇付き特別試写会 5名様ご招待

映画『さとこはいつも』キャスト登壇付き特別試写会 5名様ご招待

映画『時には懺悔を』西島秀俊/満島ひかり 時には懺悔を【レビュー】

打海文三による原作「時には懺悔を」には、著者自身が障がいを持つ息子を育てた実体験が反映されているとのことです…

映画『グレイ・ミッション』ヘンリー・カヴィル/ジェイク・ギレンホール グレイ・ミッション【レビュー】

『コードネーム U.N.C.L.E.』と同様に、女性1名、男性2名のトリオで魅せる作品でありつつ、本作では女性がボスという設定に特徴があります…

映画『君の見る世界をなぞる』エロワ・ポユ/マクシム・スリヴィンスキー 君の見る世界をなぞる【レビュー】

一見恵まれた環境にいるエンゾは、自分のアイデンティティに悩まされ、居場所を見出せずにいます…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集! 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

メタ認知は、自分で自分をわかるために必要な認知機能です。今回は、映画鑑賞においてメタ認知の働きによって、鑑賞後の印象が変わるはずという仮説のもと、メタ認知が働く映画鑑賞とそうでない映画鑑賞で何が異なるのかを一緒に考えます。本ゼミでは、映画鑑賞に絡めて日常にも役立つ心理学を取り上げています。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!
  2. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  3. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『平行と垂直 』安田章大/のん
  2. 映画『オークストリートの異変』アン・ハサウェイ/ユアン・マクレガー
  3. 映画『私はあなたを知らない、』坂口健太郎/堀田真由/倉田瑛茉
  4. 映画『時には懺悔を』西島秀俊/満島ひかり
  5. 映画『グレイ・ミッション』ヘンリー・カヴィル/ジェイク・ギレンホール

PRESENT

  1. 映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』パンツェッタ・ジローラモ
  2. 映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春
  3. 映画『ヒンド・ラジャブの声』
PAGE TOP