REVIEW

ダークグラス【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ダークグラス』イレニア・パストレッリ

本作が日本公開される2023年に80歳となる巨匠ダリオ・アルジェント監督による10年ぶりの作品!実娘アーシア・アルジェントも脇を固めています。物語の舞台はローマ。娼婦ばかりを狙う連続殺人犯が、失明しながらも命を取り留めた主人公を執拗に付け狙う過程が描かれています。
序盤に出てくる血がドクドクと流れる殺人シーンで犯人の狂気性、残虐性を感じさせ、正体不明の犯人が乗るバンだけがヒントという限られた情報しかない状況がスリルを煽ります。途中で怪しい人物が浮上しながらも、あまりに執拗な犯人の目的が不明である点もかなり不気味。映像のタッチも相まって、背筋がゾクゾクします。
一方、ホラーにお馴染みのツッコミどころ満載な展開も魅力。ただし、盲目の女性と身寄りのない少年のコンビという設定がユニークかつ絶妙で、この弱々しい2人ならそんな展開もあり得るなと思わせるところがあります。途中、過激なシーンがおさまったかと思いきや、ラストで脳裏に焼き付くようなシーンをじっくり映す演出、ローマの日常的な風景の中で展開されながらも一つひとつのシーンが印象に残るカット割りはさすが巨匠の手腕。最後まで余すところなく濃厚なシーンが詰まっています。この芸術的なホラーをぜひご堪能ください。

デート向き映画判定
映画『ダークグラス』イレニア・パストレッリ

ジワジワじっくり映し出される殺害シーンも複数あり、ホラーを普段観ない方にとってはそこそこ怖いと思います。連続殺人鬼に狙われるのが娼婦ばかりというところで、セクシャルなシーン、ヌードも出てきます。デートには不向きな内容がいくつかあるので初デートにはオススメしませんが、映画好きカップルなら鑑賞後に会話が弾むポイントがあると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ダークグラス』イレニア・パストレッリ

キーパーソンとして少年が出てくるので、皆さんは彼の目線で物語に没入できるかもしれません。ただし、PG-12で大人と一緒なら観られるとしても、キッズにはまだ過激過ぎて、人によってはトラウマになりえる描写もあります。せめて高校生くらいになって、自分からホラーに興味を持ってから観るということでも良さそうです。

映画『ダークグラス』イレニア・パストレッリ

『ダークグラス』
2023年4月7日より全国順次公開
PG-12
ロングライド
公式サイト

Copyright 2021 © URANIA PICTURES S.R.L. e GETAWAY FILMS S.A.S.

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー 『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー

フランスで3週連続NO.1(仏映画興収/実写映画において)を獲得し、260万人動員の大ヒットを記録した話題作『ファンファーレ!ふたつの音』。今回は本作のエマニュエル・クールコル監督にインタビューさせていただきました。

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ひゃくえむ。』
  2. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  3. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  4. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  5. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP