REVIEW

ディック・ロングはなぜ死んだのか?

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』

タイトル通り、ディック・ロングがなぜ死んだのかという真相を探っていくストーリーではありますが、独創的なラインナップを誇るスタジオ“A24”と『スイス・アーミー・マン』ダニエル・シャイナート監督がタッグを組んだ作品ということで、フツーな話のわけがありません。序盤から「え?え?」となり、途中で「え!逆にどうやって?」となりますが、「そんなアホな!」という展開に、劇中で真相を徐々に知っていくキャラクター達と同じリアクションを体感できるはずです。ディック・ロングに何かが起こってからの短期間、周囲の人々はどう過ごしていたのかを淡々と映しているだけなのですが、言葉で観ている側に想像を膨らませるところが巧い!正確に言えば、言葉で言われても想像できないようなあり得ない話が飛び出してくるのですが、こういった演出でここまでセンセーショナルに描けるのはさすがです。結局、「何やってんだか〜」という話とも言えるのですが、後先考えない人間の残念な面を突きつける内容になっています。そして実際に起きた事件から着想を得ているというから、観終わって改めて驚くはず。劇中の出来事にどう反応するかは別として、ダニエル・シャイナート監督作としては期待に応えてくれますよ。

デート向き映画判定
映画『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』マイケル・アボット・ジュニア/ヴァージニア・ニューコム

ネタバレになってしまうので、どういう意味で気まずくなる可能性があるかは伏せますが、内容的に人によってドン引きする部分が出てくる可能性もあり、初デートや交際期間が浅いカップルで観るのは避けたほうが良いでしょう。ただ、衝撃的な要素も直接的な描写はしていないので、ベテランカップルなら大丈夫だと思います。いろんな意味で観た後の会話が盛り上がるでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』マイケル・アボット・ジュニア

内容的にキッズに見せる映画ではありません(笑)。一応PG-12となっているので、12歳未満の人が観る場合は大人と観てくださいということになりますが、一緒に観る大人のほうが気まずくなりそうだし、「どういう意味?」と聞かれても説明に困るので、大きくなってから観てください。ティーンの皆さんにとっては反面教師的に観て、学べる部分が少しあるかも知れません。

映画『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』マイケル・アボット・ジュニア/ヴァージニア・ニューコム/アンドレ・ハイランド/サラ・ベイカー/ジェス・ワイクスラー/ロイ・ウッド・ジュニア/スニータ・マニ

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』
2020年8月7日より全国公開
PG-12
ファントム・フィルム
公式サイト

©2018 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ドライブ・イン・マンハッタン』クリスティ・ホール監督インタビュー 『ドライブ・イン・マンハッタン』クリスティ・ホール監督インタビュー

ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの2人芝居で魅せる『ドライブ・イン・マンハッタン』で監督、脚本を務めたクリスティ・ホールさんにオンラインでインタビューをさせていただきました…

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン 愛を耕すひと【レビュー】

イダ・ジェッセンによる史実に基づく歴史小説“The Captain and Ann Barbara(英題)”を原作に…

映画『嘘喰い』白石麻衣 白石麻衣【ギャラリー/出演作一覧】

1992年8月20日生まれ。群馬県出身。

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』来日スペシャルレッドカーペットイベント:ティモシー・シャラメ ボブ・ディランの音楽がいかに僕にインパクトを与えたかわかるはず『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ティモシー・シャラメ来日

第97回アカデミー賞8部門にノミネートされている『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメが来日…

映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー 『ロングレッグス』トークイベント付き試写会 5組10名様ご招待

映画『ロングレッグス』トークイベント付き試写会 5組10名様ご招待

映画『ブルータリスト』エイドリアン・ブロディ/フェリシティ・ジョーンズ ブルータリスト【レビュー】

タイトルになっている“ブルータリスト”は「残忍な」という意味の単語ですが、“ブルータリズム”と呼ばれる建築様式にもかけて付けられていると考えられます…

映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ 『TATAMI』ムビチケオンライン券 3名様プレゼント

映画『TATAMI』ムビチケオンライン券 3名様プレゼント

映画『セプテンバー5』ジョン・マガロ/レオニー・ベネシュ セプテンバー5【レビュー】

ミュンヘンオリンピック開催中の1972年9月5日、パレスチナ武装組織“黒い九月”はイスラエル選手団を人質にとりました。本作は、その事件が発生してから終結するまでを中継…

映画『ディックス!! ザ・ミュージカル』ネイサン・レーン/メーガン・ムラーリー メーガン・ムラーリー【ギャラリー/出演作一覧】

1958年11月12日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。

映画『映画を愛する君へ』 ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き27】2025年1月後半から2月初旬「気になる映画とオススメ映画」

2025年1月は注目して欲しい作品が多く、今回もたくさんの作品についておしゃべりしました。僭越ながらマイソンが研究している“SEL(社会性と情動の学習)と映画”というテーマにも少し触れさせていただきました。

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

映画『ベルヴィル・ランデブー』 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.3

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダーほか トーキョー女子映画部が選ぶ 2024年ベスト10&イイ俳優MVP

毎年恒例のこの企画では、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

REVIEW

  1. 映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン
  2. 映画『ブルータリスト』エイドリアン・ブロディ/フェリシティ・ジョーンズ
  3. 映画『セプテンバー5』ジョン・マガロ/レオニー・ベネシュ
  4. 劇場版『トリリオンゲーム』目黒蓮/佐野勇斗/今田美桜/福本莉子/吉川晃司
  5. 映画『大きな玉ねぎの下で』神尾楓珠/桜田ひより

PRESENT

  1. 映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー
  2. 映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ
  3. 映画『フライト・リスク』マーク・ウォールバーグ
PAGE TOP