REVIEW

囚われた国家

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『囚われた国家』アシュトン・サンダース

タイトルから社会派サスペンスというのはおわかり頂けると思いますが、そこにSF要素が入ることでより先が読めない展開を作っています。物語の舞台は、地球外生命体に侵略され支配された世界。ただ攻撃されるだけでなく、政治的な実権も握られていて、人間は人間らしい生活を送れなくなっています。そんな世界で戦うレジスタンス達の姿を描いているのですが、さまざまな立場のキャラクターが、身の危険を感じながらどんな選択をするのかというところに、人としての奥深さ、意志を持つ人間として生きることの価値を感じさせられます。そして、知らぬ間にたくさんの伏線が張られているのも本作の魅力で、ラストで全容が明かされた時、本作が持つ価値観が改めて打ち出されます。誰かに従うだけの人生を送るか、死を選ぶか。これほどの選択肢を突きつけられたら、人はどうやって生きていくのか。本作は、ただのエイリアンと人間の戦いを描いているのではなく、私達の身近にある世界を映し出しているように思います。

デート向き映画判定
映画『囚われた国家』ジョン・グッドマン/アシュトン・サンダース

シリアスな作品なので、ワクワクウキウキしたデートをしたい場合は不向きでしょう。カップルで観て気まずいシーンはありませんが、エイリアンに人が殺されてしまうシーンは結構痛々しいので、そういうのが苦手な人を誘うと気の毒な状態になるかも知れません。こういうジャンルが好きな友達と観るか、1人でじっくり観るほうが没入できそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『囚われた国家』ジョナサン・メジャース/ヴェラ・ファーミガ

エイリアンのビジュアルが強烈で、残忍なシーンもあるので、キッズには刺激が強すぎると思います。小学校高学年以上なら怖いと思いながらも観る人がいそうですが、シリアスなテンションなので、好みは分かれるかも知れません。でも、自分が不本意に思っている状況に対して戦おうとする人々の物語で、生き様がカッコイイキャラクターが出てきます。そういう意味では、誰でも感情移入できるので、興味があれば観てみてください。

映画『囚われた国家』アシュトン・サンダース

『囚われた国家』
2020年4月3日より全国公開
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト

© 2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ヨナス・ダスラー ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師【レビュー】

第二次世界大戦下のドイツに実在した牧師、ディートリヒ・ボンヘッファーは、ナチスに支配された教会やユダヤ人達を救おうと奮闘…

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』SUMIRE 佐藤菫【ギャラリー/出演作一覧】

1995年7月4日生まれ。東京都出身。

映画『プレデター:バッドランド』エル・ファニング プレデター:バッドランド【レビュー】

おもしろい!いろいろユニーク!“プレデター”シリーズは…

映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ モンテ・クリスト伯【レビュー】

アレクサンドル・デュマ・ペールの傑作小説「巌窟王」を映画化した本作は…

映画『秒速5センチメートル』松村北斗 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年10月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年10月】のアクセスランキングを発表!

映画『旅と日々』シム · ウンギョン/堤真一 旅と日々【レビュー】

つげ義春の「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作に、『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』などを手がけた三宅唱監督が映画化…

映画『風のマジム』肥後克広 肥後克広【ギャラリー/出演作一覧】

1963年3月15日生まれ。沖縄県出身。

【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】羽佐間道夫、山寺宏一ほか 人気声優達が真剣勝負!会場が終始笑いに包まれた【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】本番リポート

発起人である羽佐間道夫のもと、山寺宏一、林原めぐみほか錚々たる人気声優達がズラリと顔を揃えたライブは今年で20周年を迎えました…

映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。』ホン・サビン/シン・ジュヒョブ あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。【レビュー】

物語の始まりは、1995年の韓国、テグ。学校でいじめられていたドンジュン…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  2. 映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ヨナス・ダスラー
  3. 映画『プレデター:バッドランド』エル・ファニング
  4. 映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ
  5. 映画『秒速5センチメートル』松村北斗

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP