REVIEW

トリとロキタ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『トリとロキタ』パブロ・シルズ/ジョエリー・ムブンドゥ

ダルデンヌ兄弟が監督を務める本作は、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を受賞しています。物語の主人公は血の繋がりがないものの姉と弟として生きるトリとロキタ。祖国を離れてベルギーへやってきた2人の目下の課題はビザ取得。弟のトリは既に取得できることになった一方で、ロキタにはなかなかビザが下りません。さらにロキタは祖国の家族に仕送りしなければならず、やむなくドラッグの運び屋をしています。そんななか、さらに経済的に追い込まれる事態になったロキタは、闇の仕事に誘われます。そして、いつも一緒にいた2人はしばらく離れることになったことで、トラブルを引き起こすことになります。
ここからは本編でご覧いただくとして、本作を観ていると、まだ子どもながらもお互いに支えながら必死に生きるトリとロキタを応援せずにはいられません。同時に、これほど過酷で理不尽な状況に置かれても素直で優しい2人の姿に胸を打たれます。一方で、彼等が対処できる事柄に限界も見えて、彼等自身の無力感が伝わってくると共に、観ているこちらも自分が無力なことに気付かされます。そして本作は、さらに現実の厳しさを容赦なく突きつけてきます。それはあまりにも突然で、命の儚さを痛感させられます。本作を観ていると、大人の獰猛さ、社会の冷たさを実感します。直接何かできるわけではないにしても、まずは本作を観て、こういった現実に目を向けて、関心を持つことが必要ですね。

デート向き映画判定
映画『トリとロキタ』パブロ・シルズ/ジョエリー・ムブンドゥ/アウバン・ウカイ

重い内容なので、デートのムードを盛り上げるということはありません。ただ、こういった社会問題に対してどんな考えを持っているかを話すことで、お互いの価値観が自然にわかると思います。それ以前に本作のようなテーマやストーリーに関心を持つかどうかで、ある程度相性がわかってしまうのかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『トリとロキタ』パブロ・シルズ/ジョエリー・ムブンドゥ

皆さんと同じ世代のトリとロキタが、自分達の力だけで異国で生活しているお話です。子どもだからといって守られることもなく、2人は過酷な状況で必死に生きています。自分ならどうするか考えながら観ると、すごく怖く感じる内容です。でも、こういった状況が実際にあることを知ると、日々の大切さに気付くきっかけになると思います。

映画『トリとロキタ』パブロ・シルズ/ジョエリー・ムブンドゥ

『トリとロキタ』
2023年3月31日より全国順次公開
ビターズ・エンド
公式サイト

©LES FILMS DU FLEUVE – ARCHIPEL 35 – SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA – VOO et Be tv – PROXIMUS – RTBF(Télévision belge)
Photos ©Christine Plenus

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』アウグスト・ディール 死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ【レビュー】

メンゲレは、第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ強制収容所で残虐な人体実験を行い、“死の天使”と呼ばれ…

【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集! 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!

今回は、ローカス・オブ・コントロール(Locus of Control)という心理的概念を取り上げます。内的統制か外的統制かという傾向によって、作品を観た時の着眼点や感想に違いがあるのかを議論したいと思います。

映画『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』レイチェル・セノット Shiva Baby シヴァ・ベイビー【レビュー】

パパ活をしている若い女性はシュガーベイビー、若い女性に経済的支援をする男性はシュガーダディと呼ばれている…

ドラマ『外道の歌』前原瑞樹 前原瑞樹【ギャラリー/出演作一覧】

1992年10月5日生まれ。長崎県出身。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』峯田和伸/若葉竜也/吉岡里帆 『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』キャスト登壇!ライブイベント付き試写会 25組50名様ご招待

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』キャスト登壇!ライブイベント付き試写会 25組50名様ご招待

映画『#拡散』成田凌/沢尻エリカ #拡散【レビュー】

妻を突然失った男性が、妻の死と新型コロナウィルス感染症予防ワクチンの関連を疑い…

海外ドラマ『SHOGUN 将軍』平岳大 平岳大【ギャラリー/出演作一覧】

1974年7月27日生まれ。東京都出身。

映画『カミング・ホーム』ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン 『カミング・ホーム』トーク付き一般試写会 3組6名様ご招待

映画『カミング・ホーム』トーク付き一般試写会 3組6名様ご招待

映画『ユージュアル・サスペクツ』ガブリエル・バーン/スティーヴン・ボールドウィン/ケヴィン・スペイシー/ケヴィン・ポラック あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『ユージュアル・サスペクツ』

今回の「勝手にキャスティング企画!」では、『ユージュアル・サスペクツ』のリメイクを作るとしたら?と…

映画『木挽町のあだ討ち』柄本佑/渡辺謙 木挽町のあだ討ち【レビュー】

原作の「木挽町のあだ討ち」(永井紗耶子著)は、第169回直木三十五賞(通称、直木賞)、第36回山本周五郎賞を受賞したベストセラー…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集! 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!

今回は、ローカス・オブ・コントロール(Locus of Control)という心理的概念を取り上げます。内的統制か外的統制かという傾向によって、作品を観た時の着眼点や感想に違いがあるのかを議論したいと思います。

映画『ユージュアル・サスペクツ』ガブリエル・バーン/スティーヴン・ボールドウィン/ケヴィン・スペイシー/ケヴィン・ポラック あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『ユージュアル・サスペクツ』

今回の「勝手にキャスティング企画!」では、『ユージュアル・サスペクツ』のリメイクを作るとしたら?と…

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ 映画好きが選んだ2025洋画ベスト

正式部員の皆さんに投票していただいた2025年洋画ベストの結果を発表!2025年の洋画ベストに輝いたのは!?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス

REVIEW

  1. 映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』アウグスト・ディール
  2. 映画『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』レイチェル・セノット
  3. 映画『#拡散』成田凌/沢尻エリカ
  4. 映画『木挽町のあだ討ち』柄本佑/渡辺謙
  5. 映画『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』ハ・ジョンウ

PRESENT

  1. 映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』峯田和伸/若葉竜也/吉岡里帆
  2. 映画『カミング・ホーム』ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP