特集

映画で“食”について考えてみよう21:食料自給率低下の原因は私達の食生活!?

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『映画「深夜食堂」』小林薫

今回は前回の続きで、日本の食料自給率低下の原因について考えていきたいと思います。

映画で“食”について考えてみよう20:日本の食料自給率を知って食事情の問題点を考えよう

食料自給率低下の2つの要因

食料自給率の低下には、食生活の大きな変化などの長期的な原因と、需要の変化に生産面が対応しきれていない短期的な原因が考えられます。

<食生活の変化による原因>
日本では、昔から主食のご飯を中心とした食生活が続いていましたが、欧米の食文化の影響を強く受けたことにより、次第にご飯を食べる量が減り、代わりに肉や油を使用したおかずを食べる機会が増えました。
例えば、1人あたりの品目別供給熱量を昭和35年と平成26年度とで比べてみると、米が1106kcalから539kcalと半分近く減少した一方で、肉類や乳製品、卵などの畜産物は85kcalから401kcal、油脂類は105kcalから357kcalと3倍以上になっています。このように40年の間に国産で自給可能な米の消費量が大きく減少し、大部分を輸入に依存しなくてはならない畜産物や油脂の消費量が増加したことにより、食料自給率が低下してしまったといえます。その傾向は現在も変わらず、長期的に低下傾向で推移していますが、カロリーベースでは近年横ばい傾向です。

<生産力の低下による原因>
日本の地形は急で険しい山間部が多く、国土面積の7割を森林が占めており、さらに経済の発展に伴い、住宅用地や工業用地の需要が伸び、農地の面積は縮小し続けています。また、戦後の高度経済成長に伴う社会基盤の変化が第一次産業(農林水産業)で働く人口の減少と高齢化に繋がり、日本の農林水産業の生産力そのものが弱体化しつつあります。さらに、近年は食の外部化が進んでいることから、外食における業務用食材の安価で大量な輸入食品の需要が高まり、国内生産では十分に対応しきれていないことも、食料自給率の低下の原因となっています。

映画『映画「深夜食堂」』小林薫

現在(令和2年度)の食料自給率(カロリーベース)をチェック

原料の多くを輸入している砂糖、でん粉、油脂類等の消費の減少や、米の需要の長期的な減少、作柄が良かった前年に比べて小麦の単収(=ある一定面積当たりの収穫量)が減少したことにより、前年度より1ポイント低い37%となりました。また、畜産物の生産が増加したことにより、品目別自給率(重量ベース)は、牛肉が35%から36%に、豚肉が49%から50%に、鶏肉が64%から66%に、乳製品が59%から61%にそれぞれ上昇し、カロリーベース食料国産率(飼料自給率を反映しない)は前年度と同じ46%となりました。
日本では現在、令和12年度までにカロリーベース総合食料自給率を45%、生産額ベース総合食料自給率を75%に高める目標を掲げています。また、飼料自給率と食料国産率についても併せて目標を設定しており、飼料自給率と食料国産率の双方の向上を図りながら、食料自給率の向上を図っています。

食料自給率の問題はまだまだ課題が山積みで、国としても対策している最中ですが、まずは皆さんがこの事実を知るだけでも大切な一歩になるはずです。例えば、なるべく国産の食材を選んでみたり、外食を控えてみたりと、普段のちょっとした行動を変えるだけでも食料自給率の問題の改善に繋がると思います。今後10年、20年後に食料自給率がどのように変化していくのか、引き続き注目していきましょう。

<参考・引用資料>
三ッ井清貴「服部幸應の食育インストラクター養成講座 テキスト1、5」(がくぶん)
農林水産省Webサイト

本内容は、上記で語られている内容を一部引用しまとめたものです。

食にまつわる映画をチェック!

Amazonプライムビデオで観る

『映画「深夜食堂」』
ブルーレイ&DVDレンタル・販売中/デジタル配信中

マスターの作る料理の味と居心地の良さを求めて、夜な夜な賑わうめしや。ある日、誰かが店に置き忘れた骨壺を巡りマスターは思案顔をしていた。常連達は骨壺をネタにいつもの与太話に花を咲かせているが、そんなめしやにある人物が現れ…。

★食の注目POINT!!
マスターの作る料理はとても美味しそうで、手作りの温かみを感じられます。もし外食をするにしても、こういう手作り料理や国産の食材を使っているお店なら利用するのもアリです。

Amazonプライムビデオで観る

『南極料理人』
ブルーレイ&DVDレンタル・販売中/デジタル配信中

主人公の西村は、南極観測隊の料理人としてドームふじを訪れた。隊員達の限られた生活のなかで、食事は別格の楽しみ。西村は、自分が作った料理を皆が喜んで食べる姿が嬉しかった。しかし、日本には妻と8歳の娘と生まれたばかりの息子が待っていて…。

★食の注目POINT!!
決して特別な料理が登場するわけではありませんが、隊員達が美味しそうに食事をするシーンは観ていて爽快ですし、食のありがたみも伝わってきます。本作の特殊の環境を通し、食べることの意味や、食材の大切さも感じられるのではないでしょうか。

© 2015安倍夜郎・小学館/映画「深夜食堂」製作委員会

TEXT by Shamy(NPO日本食育インストラクターPrimary)

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『オデュッセイア』マット・デイモン オデュッセイア【レビュー】

本作を観て、多くの映画ファンに映画館で観なければ意味がないと思わせるノーラン監督作が、観客にもたらす特別な映画体験の根幹には何が共通しているのかを改めて考えました…

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』トメル・カポン トメル・カポン【ギャラリー/出演作一覧】

1985年6月15日生まれ。イスラエル生まれ。

映画『バックルームズ』キウェテル・イジョフォー バックルームズ【レビュー】

この短編の再生数はなんと2億回を突破し、パーソンズ監督は17歳で本作の映画化に取りかかり、19歳の時に撮影、20歳で長編デビューを果たしました…

映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ 『私たちは、ちょうどいい。』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『私たちは、ちょうどいい。』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『左利きの少女』ニーナ・イエ かわいいだけじゃ務まらない!名子役特集Vol.4

今回も、主役から脇役まで存在感を大いに発揮している名子役をご紹介します!

映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』パンツェッタ・ジローラモ 『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』キャスト&監督登壇!先行プレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』先行プレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『平行と垂直 』安田章大/のん 平行と垂直【レビュー】

主演の安田章大にとって初の企画作品ともなる本作は、自閉スペクトラム症の兄、大貴(安田章大)と、妹の希(のん)の物語です…

映画『オークストリートの異変』アン・ハサウェイ/ユアン・マクレガー オークストリートの異変【レビュー】

本作が斬新なのは、日常に突如恐竜が入り込んでくる点です。文字どおり、家に恐竜が来ちゃうんです…

映画『私はあなたを知らない、』坂口健太郎/堀田真由/倉田瑛茉 私はあなたを知らない、【レビュー】

坂口健太郎が主演の中野量太監督作という情報のみで観たいと思い、ポスタービジュアル、あらすじ、キャッチコピーすら目にすることなく本編を拝見しました…

映画『Mr.ノボカイン』ジェイコブ・バタロン ジェイコブ・バタロン【ギャラリー/出演作一覧】

1996年10月9日生まれ。アメリカ出身。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集! 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

メタ認知は、自分で自分をわかるために必要な認知機能です。今回は、映画鑑賞においてメタ認知の働きによって、鑑賞後の印象が変わるはずという仮説のもと、メタ認知が働く映画鑑賞とそうでない映画鑑賞で何が異なるのかを一緒に考えます。本ゼミでは、映画鑑賞に絡めて日常にも役立つ心理学を取り上げています。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!
  2. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  3. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『オデュッセイア』マット・デイモン
  2. 映画『バックルームズ』キウェテル・イジョフォー
  3. 映画『平行と垂直 』安田章大/のん
  4. 映画『オークストリートの異変』アン・ハサウェイ/ユアン・マクレガー
  5. 映画『私はあなたを知らない、』坂口健太郎/堀田真由/倉田瑛茉

PRESENT

  1. 映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ
  2. 映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』パンツェッタ・ジローラモ
  3. 映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春
PAGE TOP