REVIEW
かつて繁栄しながらも今は廃墟と化しているシェルビー・オークスという町で、人気ホラー実況チャンネルを運営していた4人のクルーが行方不明になったところから物語は始まります。本作は、フェイクドキュメンタリーで、シェルビー・オークスは物語上の架空の町です。
フェイクドキュメンタリーはモキュメンタリーともいわれるジャンルで、わかりやすい例では、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や“パラノーマル・アクティビティ”シリーズなどの人気作があります。本作にも、これらの作品を彷彿させるノリが感じられます。正直なところ、ホラーを観慣れている者としてはさほど怖いと思えず、「だから、なんで1人で行くねん(笑)」「なんでいかにも怪しい人物の家に招き入れられとんねん(笑)」などホラーに定番の展開にツッコミながら楽しみました。でも逆にいえば、ホラーを観慣れていない方は、フェイクドキュメンタリーということで現実に起こっているかのように演出されているため、それなりに怖いのかもしれません。

本作は、クリス・スタックマン監督が夫婦で2016年に撮った「毎年恒例となっていた、ハロウィン特別企画」の長編化をしようという構想からスタートしたそうです。最初は資金調達に苦労し多くの人からやめたほうがいいと言われながらも、クラウドファンディングで約140万ドルを集め、「Kickstarter史上最高額の資金を集めたホラー映画」になったといいます。そして本作は、今映画業界で勢いを増すNEONが手掛けることとなりました。

また、スタックマン監督は本作が完成してみると私的で個人的なプロジェクトとなったと話しています。
私は「排斥(忌避)」を実践する、とある信仰の中で育ったのですが、12歳の時、姉がその信仰を離れました。私は姉を排斥するよう強制され、結果として一切の連絡を絶ちました。姉は「霊的に死んだ」と告げられ、彼女が健在だと知りながらも、私がようやくその信仰から脱した20代前半になるまで再会は叶いませんでした。(映画公式資料)

私はむしろこの監督の経験談を知ったことで、ホラーとは異なるエモーショナルな面に魅力を感じました。本作は、ホラーとして楽しむのもあり、人間の不可解な言動の背後にあるものについて考察して楽しむのもありだと思います。
デート向き映画判定

物語の本筋ではないかもしれませんが、本作に登場する夫婦の家族計画の行方という視点で観ると、「え〜〜〜!無理無理無理無理」というツッコミを入れたくなるクライマックスです(笑)。ホラー好きなカップルは、自分達が夫婦で、クライマックスのような状況になったらどうするか話し合ってみると、鑑賞後の会話も楽しめそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

フェイクドキュメンタリーということで本当に起こっているように見えるホラーは、キッズの皆さんにとっては一層怖いと感じるかもしれないですね。なので、怖がり屋の方は免疫がついてから興味が持てたら観てみてはどうでしょうか。一方、ホラーは平気だよという方は、“悪しき象徴”の描写の違いから、東洋と西洋の文化の違いを知るきっかけにできそうです。

『シェルビー・オークス』
2025年12月12日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2025年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。





























