REVIEW
エミリー・ブロンテが1847年に書いた「嵐が丘」は、1970年にもアンナ=コールダー・マーシャル、ティモシー・ダルトンが出演し、映画化されました。そして、この度、マーゴット・ロビー、ジェイコブ・エロルディが出演する本作が製作されました。監督は『プロミシング・ヤング・ウーマン』を撮ったエメラルド・フェネルが務めています。

“嵐が丘”と呼ばれる土地に住むアーンショウ家の令嬢キャサリンは、父が引き取った孤児のヒースクリフと共に育ちます。アーンショウ家の財政は厳しく、父の素行がますます荒れていくなかで、2人は寄り添いながら日々を過ごします。2人が成長しても、家はますます貧しくなるばかり。そんななか、キャサリン(マーゴット・ロビー)とヒースクリフ(ジェイコブ・エロルディ)の関係は複雑になっていきます。

ロマンチックなポスタービジュアルと、「世紀のラブストーリー」という謳い文句からラブストーリーのつもりで観始めたものの、予想とは異なる印象を持った、というのが正直なところです。予想外の部分がダメだったというわけではないものの、ラブストーリーとして観たいと思っている方はこの先は読まないほうが良いかもしれません。
以下はあくまで私の解釈です。読む方によってはネタバレと感じる内容が含まれるため、観終わってからお読みいただくことを推奨します。

私がまだ10代で恋愛未経験で本作を観たら、純粋にラブストーリーとして堪能できたかもしれません(苦笑)。そうできなかったのは、今の私のせいなので、以下の内容は、素敵なラブストーリーとして楽しんだ方を否定するものではない点を強調しておきます。

私がまず引っかかった点は、劇中でキャサリンの父が引き取ってきたヒースクリフを“pet”と表現していた点です。あくまで父がそう表現していただけでキャサリンがヒースクリフをペットのように思っていたとはいえないまでも、原作者のエミリー・ブロンテは執筆当時どんな思いで小説を書いていたのかというところに想像が膨らみました。当時、身分違いの恋愛もセンセーショナルだったかもしれませんが、それ以上に、女性が男性を所有するような関係性はもっとセンセーショナルな印象を与えたのではないかと想像します。

本作でも、身分の違いとはいえキャサリンとヒースクリフの間にはどこか主従関係のような態度がみえて、純粋な恋愛関係といえるのか疑問を持ちました。また、クライマックスに近づくと、ある人物が犬のような態度をとるシーンが暗喩かなとも思いました。つまり、キャサリンとヒースクリフは強い愛情で結ばれていたとはいえ、やはり対等な恋愛関係ではなかったのではないかということです。

また、原作小説が書かれた時代、物語の舞台となっている時代や社会の構造を加味して観るかどうかによって印象も変わると思います。現代を舞台にしてこんなことをやっていたら、「復讐してないで働け!」と思えて仕方がないでしょうが(苦笑)、この時代に実状は別として表向きは高い身分として生きていくなら、庶民のようには働けなかったのかもしれません。そんな風に考えていくと、物語の時代の人々の生きにくさがドラマチックに見えてきます。
というわけで、ロマンチックなラブストーリーとしては堪能できなかったものの、こうした解釈を堪能しました。皆さんも自由に想像を膨らませてご覧ください。
デート向き映画判定

ラブシーンが複数出てくるので、初デートだとちょっと恥ずかしくなる方がいるかもしれません。激しい感情がぶつかりあうストーリーなので、好みが合えばお互いに気持ちが盛り上がりそうです。一方で、好みが分かれてしまったら、自分対の恋愛観の違いにも気づくきっかけになるかもしれません。そんな余計なことを考えずに観たい場合は、仲の良い友達同士で観るか、1人でじっくり観るほうが良いでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

どちらが良いとか正解というわけではなく、自分の恋愛観が固まりすぎないうちに観た場合、ある程度しっかりした恋愛観を持って観る場合で、反応が違ってくるような気がします。自分の恋愛観を交えて感想を話したくなる内容なので、仲の良い友達と観ると、お互いの恋バナも含めてトークが盛り上がりそうです。

『嵐が丘』
2026年2月27日より全国公開
東和ピクチャーズ、東宝
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2026年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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