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決断するとき【レビュー】

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映画『決断するとき』キリアン・マーフィー/エミリー・ワトソン

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主演はキリアン・マーフィー、監督はベルギー出身のティム・ミーランツが務め、製作総指揮はベン・アフレック、製作にはマット・デイモンも名を連ねています。本作は、クレア・キーガンによる小説「ほんのささやかなこと」を原作としています。キーガンの他の作品では「あずかりっ子」が2022年に『コット、はじまりの夏』として映画化され、第95回アカデミー賞にて、アイルランド映画史上初の国際長編映画賞にノミネートされました。

映画『決断するとき』

物語の舞台は1985 年、アイルランドの小さな町です。石炭商人のビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、石炭を配達した修道院で、収容されている少女達の現実を目の当たりにします。ビルはいたたまれない気持ちになったものの、強大な力を持つ修道院に盾をつけば、家族や会社に何か影響があるかもしれず、安易に動けずにいました。

映画『決断するとき』

ビルは自分自身の子どもの頃の思い出とも重ね合わせながら葛藤します。また、ビルには5人の娘がおり、娘の将来を案ずると同時に、洗濯所の少女達も娘のように心配せずにはいられません。そんな状況下でビルがどういう選択をとるのかが見どころとなっています。

映画『決断するとき』キリアン・マーフィー/アイリーン・ウォルシュ

本作は、実話に基づく、マグダレン洗濯所にまつわるストーリーです。マグダレン洗濯所について、映画公式資料では、下記のように説明されています。

19世紀から20世紀後半にかけて、主にアイルランドで存在していた女性収容施設。カトリック修道会によって運営され、表向きは「保護」「更生」「慈善」を目的とした施設とされていた。そこに収容されたのは、未婚で妊娠した女性、性的被害を受けた女性、家庭や社会から「素行が悪い」と見なされた若い女性たちであった。(中略)身体的・精神的な虐待があったとする証言も数多く残されており、結果として、何年、あるいは生涯をこの場所で過ごした女性も少なくなかった。/「マグダレン」という名称は、聖書に登場する悔い改めた女性の象徴であるマグダラのマリアに由来し、女性に一方的な「罪」を背負わせる宗教的価値観を反映している。(映画公式資料)

映画『決断するとき』エミリー・ワトソン

マグダレン洗濯所のように表向きは善である相手が1番手強いと感じます。エミリー・ワトソンが演じるシスター・メアリーが登場するシーンは限られているものの、当時、少女達が修道院で絶対的な支配下に置かれていた状況は、緊迫感のある空気感だけからでも伝わってきます。それに、周囲の人間も信仰を盾にされると何も言えません。人の心を救うはずのものが、人の心を支配するために使われる。こうした状況は国や時代を問わず、どこにでもあり得ます。本作を観ると、どうしようもない無力感を実感させられる一方で、わずかに残った、屈してはいけないという思いを奮い起こされます。

デート向き映画判定

映画『決断するとき』アイリーン・ウォルシュ

夫婦として、親として、ビルと妻のアイリーン(アイリーン・ウォルシュ)は、異なる見方を持っています。どちらが正しくて間違っているというのではなく、家族を守るために考えるべき事柄なので、自分達ならどうするかを話し合うと、夫婦になり家庭を持った場合のシミュレーションになりそうです。そういう意味では、自ずとお互いの意見が異なる場合に、どこまで譲歩できるかにも気づくきっかけになるでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『決断するとき』

こんなことがあっていいのかと、信じられないような状況が映し出されています。信仰を貫くこと自体は悪いことではないとはいえ、信仰と権力が結びついてしまう状況に問題があり、信仰という名の下で皆が盲目的になってしまうことに恐ろしさを感じます。本作を観ると、社会的な立場だけで、善か悪かを判断できないこともあるとわかるでしょう。

映画『決断するとき』キリアン・マーフィー

『決断するとき』
2026年3月20日より全国順次公開
アンプラグド
公式サイト

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TEXT by Myson

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