REVIEW

英雄は嘘がお好き

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『英雄は嘘がお好き』ジャン・デュジャルダン/メラニー・ロラン

苦いシャレが効いたフレンチ・ラブコメディで、ロマンチックというよりも、皮肉描写にクスッと笑ってしまいます。「恋をすると人は盲目になる」とよく言いますが、本作は逆に、盲目になれずに素直に恋ができない男女のドタバタ喜劇といった感じです。でも、純粋な恋ができない男女2人(大尉とエリザベット)が哀れに見えるわけではなく、この2人がペテン師的素質を持っている点で似た者同士で引き寄せ合っている点がおもしろい。同時に、ノエミ・メルランが演じるポリーヌと、クリストフ・モンテネーズが演じるニコラは、ジャン・デュジャルダンが演じる大尉、メラニー・ロランが演じるエリザベットとは違って、普通に恋をしますが、彼らのほうがむしろ本性を隠しているとも取れて、恋愛での“偽り”にもいろいろあるということが巧みに描写されていると言えます。とにかく、前述の4人のキャラクターが皆魅力的で、何度も「なんでやねん!」と心の中でツッコミながら観るのが楽しい映画。綺麗事はなく、「そりゃ、そうだわな」と納得して笑って終えられるオチが、これまたシャレてるな〜と、フランス仕込みのビターな笑いを堪能できます。

デート向き映画判定
映画『英雄は嘘がお好き』ジャン・デュジャルダン/メラニー・ロラン

気まずくないような、気まずいような、2人の関係性に寄ってという感じでしょうか(苦笑)。円満なカップルは、高みの見物で気楽に楽しめるとは思います。誰もがこんなあからさまに怪しい男に騙されるわけがないと思って本作を観ると思いますが、恋は盲目なので、自分が当事者の場合に見抜けるかはわかりません。そういった意味で、不可解なところが気になっている相手と交際している場合は、1人でじっくり観て、自分達の関係を振り返るのが良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『英雄は嘘がお好き』メラニー・ロラン

女の子にとっては、「将来こういう人には引っかかるな」と恋愛の教訓にできそうなところはありますが、大人のシュールな人間関係が描かれているので、キッズに堂々とオススメするという感じではありません(笑)。中学生以上なら、こういったカラッとしたラブコメディを通して、少しでも恋愛の勉強になるなら、観ても良いと思います。

映画『英雄は嘘がお好き』ジャン・デュジャルダン/メラニー・ロラン

『英雄は嘘がお好き』
2019年10月11日より全国公開
松竹
公式サイト

© JD PROD – LES FILMS SUR MESURE – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA – GV PROD

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『Mr.ノボカイン』ジャック・クエイド Mr.ノボカイン【レビュー】

痛みを感じない疾患を持つ主人公、ネイサン・カイン(ジャック・クエイド)は…

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『Mr.ノボカイン』ジャック・クエイド
  2. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  3. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  4. 映画『リライト』池田エライザ
  5. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP