REVIEW

浅田家!【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『浅田家!』二宮和也

本作は、写真家の浅田政志氏による写真集「浅田家」と「アルバムのチカラ」を原案に、『湯を沸かすほどの熱い愛』『長いお別れ』といった家族の物語を描いた作品で高評価を得ている中野量太監督が映画化。浅田政志氏のことを知る人はどんな話なのかを最初からなんとなく理解して観るのかも知れませんが、彼のことを知らないなら知らないで、「写真家の話なのに、なぜ個人ではなく一家の名前が映画のタイトルになってるの?」というところから楽しめます。前半は主人公の政志がカメラマンを志すきっかけから始まり、途中迷走して、ようやくカメラマンとしての道を切り拓いていく様子が描かれるサクセスストーリーとなっていますが、それで終わらないところに、家族の物語の真髄が表れています。政志はカメラマンとして成功するまでに自分の家族を巻き込んでいくのですが、それがあったからこそ、その後に数々の素晴らしい出会いがあり、彼のカメラマン人生にも大きな影響をもたらします。彼がどんな写真を撮るのかというところから説明したほうが言わんとしていることを伝えやすいのですが、ここは敢えて驚きを残しておきたいので、まっさらな状態で観ることをオススメします。ユーモアもふんだんにありつつ、とてもじ〜んとくるストーリーなので、女子はハンカチとメイク直しグッズをお忘れなく。

デート向き映画判定
映画『浅田家!』黒木華

笑いどころもあり、とても心温まるストーリーで、デートの雰囲気を良くするのにピッタリです。観終わった後は自然に家族の話をしやすいので、付き合いたてのカップルはお互いの家族について知るきっかけにできそうです。また、こんな家族っておもしろいな、良いなというモデルも観られるので、結婚を意識しているカップルは、「家族ができたら…」なんて話をしやすくなると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『浅田家!』妻夫木聡

子どもが観ても楽しい展開があり、後半はしんみりしますが、子ども達がキーパーソンとして登場するので、キッズからティーンまで年齢に関係なく観てみて欲しい1作です。家族の物語として観るのも良し、将来の夢を追いかける物語として観るのも良しなので、心をニュートラルな状態にして、自然に感じ取れるものを受け取ってください。

『浅田家!』
2020年10月2日より全国公開
東宝
公式サイト

© 2020「浅田家!」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP