REVIEW

フード・インク ポスト・コロナ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『フード・インク ポスト・コロナ』

REVIEW

アメリカでは2009年、日本では2011年に公開された前作に続き、本作も食品産業の衝撃的な真実が明かされています。本作はタイトルに“ポスト・コロナ”とあるとおり、コロナ禍で露呈した食にまつわるさまざまな問題が取り上げられています。そして、それぞれの問題はすべて繋がっていることが本作を観るとよくわかります。

映画『フード・インク ポスト・コロナ』

コロナ禍でさらに勢力を拡大したのは巨大企業。その巨大企業が中小企業を吸収し、巨大化するほど、フードシステムの脆弱化が進んでいるといいます。また、それは企業間の問題や経済問題にとどまらず、私達の健康にも影響があるとされ、本作はその背景とカラクリをわかりやすく解説しています。

映画『フード・インク ポスト・コロナ』

同時に、本作では“超加工食品”に焦点が当てられています。そして、脳のメカニズムによる影響が科学的な視点で論じられていて、私達がいかに知らずしらず、“騙されて”食品を選んでいるかを思い知らされます。一方で、同じ“超加工食品”でも、資源を守り、身体への害を軽減しようとするものも開発されつつあり、一般的にはまだ知られていない食の知識が得られます。

映画『フード・インク ポスト・コロナ』

ここで文章で説明するよりも、とにかく本作を観ていただければ、私達が食品に対して無知であることの怖さがわかります。健康面はもちろん、貧富の差を生む社会の仕組みにも深く関わっているのがわかり、世の中がどう回っているのかを理解できます。知ってるのと知らないのとでは大違い。誰かの操り人形にならないよう、ぜひご覧ください。

デート向き映画判定

映画『フード・インク ポスト・コロナ』

今後一緒に暮らしたり、一生を共にしようと考えている相手なら、食生活に関する価値観もなるべく合うほうが理想的です。本作は、誰でもこれからの食生活を見直したくなるくらいのインパクトを与えてくれるので、2人で観ておくと、食生活の改善に一緒に取り組みやすくなるでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『フード・インク ポスト・コロナ』

かなり衝撃的な内容なので、良い意味でこれからの食生活に多少なりとも影響を受けるでしょう。食べ盛りの皆さんにとっては、超加工食品の誘惑に抗うのが難しいとは思いますが、なぜ食べたくなるのかという真相を本作で知ると、抑制しやすくなるかもしれません。食生活をどれくらい管理するかは自由ですが、知っておいて損はないですよ。

映画『フード・インク ポスト・コロナ』

『フード・インク ポスト・コロナ』
2024年12月6日より全国順次公開
アンプラグド
公式サイト

©2023 Another Perfect Meal, LLC. All Rights Reserved

TEXT by Myson


関連作:

『フード・インク』
食にまつわる映画特集1 もう放置してはいられない!環境問題特集
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP