REVIEW

プロジェクト・ヘイル・メアリー【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング

REVIEW

タイトルについている“プロジェクト・ヘイル・メアリー”とは、“イチかバチか(ヘイル・メアリー)”のプロジェクトという意味だそうです。ストーリーの中で行われるプロジェクトを指しているのはもちろんのこと、あらゆる場面で主人公が直面するイチかバチかの状況を指していると思われます。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ザンドラ・ヒュラー

本作は、映画『オデッセイ』として映画化された「火星の人」の原作者としても知られるアンディ・ウィアーの同名小説を映画化した作品です。本作では、ウィアー自身もプロデューサーを務めています。映画公式資料によると、ウィアーは「筋金入りの宇宙オタクで、相対論や軌道力学、有人宇宙飛行の歴史といった分野を趣味として深く掘り下げている」と紹介されています。企画の発端は以下のように書かれています。

2020年初頭――まだ出版される前、発売日も決まっていない段階で、ましてやその年がどんな年になるかなど誰も知らなかった頃――作家アンディ・ウィアーは、俳優ライアン・ゴズリング(『ラ・ラ・ランド』『バービー』)に一通の原稿を送った。依頼は控えめだが具体的なものだった。物語の主人公として映画化作品に出演するだけでなく、プロデュースも手がけてほしいというものだった。(中略)ウィアーがゴズリングに連絡を取ったタイミングは偶然ではなかった。原稿が届いたのは新型コロナウイルスのパンデミックが始まった時期であり、世界中で映画の製作が停止し、映画館が閉鎖されていた。業界は分断され、大規模映画製作の未来は不確かに思えた。/「人生で最も壮大な劇場体験を作る機会が巡ってきたのに、映画館は閉まっていた」とゴズリングは語る。しかし、この苦難のさなかにこの素材を受け取ったことには、不思議とふさわしいものがあった。(映画公式資料)

こうした背景のもと、ゴズリングは刊行前の原稿を手にしてすぐに作品に夢中になり、主演とプロデューサーを務めています。『スパイダーマン:スパイダーバース』でアカデミー賞®長編アニメーション賞を受賞したフィル・ロードとクリストファー・ミラーを本作の監督に推薦したのもゴズリングだそうですよ。

主人公は中学で科学を教える教師のグレース(ライアン・ゴズリング)です。太陽エネルギーが奪われ、地球が危機的状況に陥るなか、グレースに研究依頼が舞い込みます。送り込まれた宇宙空間で目を覚ましたグレースは、早速試練に直面します。そして、孤独な闘いを強いられるなかで、奇跡的な出会いを果たします。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング

なぜ、中学教師が地球の存亡をかけたプロジェクトに抜擢されるのか、というより、なぜ地球の危機的状況で重要ポストに抜擢される人物が中学教師なのかは本編でご覧いただくとして、1つ目の見どころはグレースの人物像です。宇宙空間で地球を救うために闘うヒーローは、これまで複数の作品でも登場しました。でも、グレースの様子を観ていると、最初からヒーローのようなスタンスにいるわけではなく、背景が異なるとわかります。その背景が徐々に明かされていくなかで、一層グレースに親近感が湧くでしょう。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング

そして、最大の見どころは宇宙空間での“出会い”です。この出会いがグレースにとって希望となり、相手はグレースの運命を左右する重要な存在となります。2人の間に強い絆が育まれていくので、スリリングな展開とともに、ユーモアたっぷりのホッコリしたシーンも観られます。そうして迎えるクライマックスは、ここで一件落着かなと思った先にさらなる大きな展開が待っています。そのシーンが何を表しているのか、よーくよーく観察してください。グレースにとって、とてもとても大きな決断が描かれています。人の幸せの本当の意味ってこういうことなのかもしれないと教えてくれる結末を、ぜひ見届けてください。

デート向き映画判定

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング

ラブストーリーではないものの、とても尊い絆が描かれているので、一緒に観て同じ気持ちになれると、パートナーとの距離もグンと縮まるでしょう。本当に窮地に立たされた時、大切なパートナーのためにできることって何だろうかと、自分の立場、相手の立場で観ることができます。涙腺が刺激される場面が多々出てくるので、ハンカチを手にスタンバイして観ると良いですよ。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング

一生のうちでこんな出会いがあれば本当に幸せです。生まれ育った背景は全く異なっていても、心を通わせることはできるということ、1人では乗り切れないと思えることでも相棒がいれば奇跡が起こせるかもしれないこと、すべてを投げ捨ててでも大切にしたい相棒の存在は生きる意味を与えてくれることを教えてくれる作品です。誰でもふと孤独感に苛まれることはあります。でも、本作はそうした日常に少し希望を与えてくれるはずです。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
2026年3月20日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2026年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ダビデ ~王になった少年~』 ダビデ ~王になった少年~【レビュー】

旧約聖書「サムエル記」に基づき作られた本作は、イスラエルの王となるダビデを主人公とした物語…

映画『mentor』磯村勇斗/末澤誠也/綾野剛 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年10月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年10月】のアクセスランキングを発表!

映画『てんてん ずっと独身でいるつもり?』森香澄さんインタビュー 『てんてん ずっと独身でいるつもり?』森香澄さんインタビュー

今回は『てんてん ずっと独身でいるつもり?』で初主演を飾った森香澄さんにインタビューをさせていただきました。

映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』「エリィアンズ」 GROTESQQQUE-グロテスク-【レビュー】

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督を務めた錦織敦史が、監督、脚本、キャラクター原案を担当する本作は、「『好き』なものを『好きなだけ』詰め込んだ完全オリジナル・アニメーション映画」…

映画『男ともだち』原作者:千早茜先生インタビュー 『男ともだち』原作者:千早茜さんインタビュー

直木賞作家、千早茜のロングセラー小説を、主演に松岡茉優、共演に成田凌を迎えて映画化した『男ともだち』。今回は原作者の千早茜先生にインタビューをさせていただきました。

映画『ヴェリティ/真実』アン・ハサウェイ ヴェリティ/真実【レビュー】

本作の原作者でありプロデューサーも務めるコリーン・フーヴァーは、2023年にTIME誌で「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた人物…

映画『見上げてごらん』森田剛 見上げてごらん【レビュー】

夢を追いかける主人公が夢を叶えたり、夢に破れたりするストーリーはこれまで複数映画化されてきました。でも、本作は…

映画『ワンオペレーション』クリスチャン・スレーター クリスチャン・スレーター【ギャラリー/出演作一覧】

1969年8月18日生まれ。アメリカ、ニューヨーク州出身。

映画『RYUJI 竜二』柳楽優弥/萩原利久/JUNON(BE:FIRST) RYUJI 竜二【レビュー】

1983年、俳優の金子正次自らが考案し初主演を飾った『竜二』は、映画史に残る1作となりました…

映画『バイオハザード』ザック・クレッガー監督版:オースティン・エイブラムス ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】あの映画がおもしろいと思う本当の理由『DIGGER/ディガー』『バイオハザード』『わたしの知らない子どもたち』など

今回もなるべくネタバレせずにお話していますが、何も知らずに観たい方は映画をご覧になってからお聞きく…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』トム・クルーズ/ブラッド・ピット あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』

世界的な超トップスター、トム・クルーズとブラッド・ピットが共演した奇跡の作品『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のパッケージリリースを機に、当部恒例企画「勝手にキャスティング企画!」を実施。

【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!

Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『ダビデ ~王になった少年~』
  2. 映画『mentor』磯村勇斗/末澤誠也/綾野剛
  3. 映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』「エリィアンズ」
  4. 映画『ヴェリティ/真実』アン・ハサウェイ
  5. 映画『見上げてごらん』森田剛

PRESENT

  1. 映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』リズワーン・シェイク
  2. 映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』アルバ・ロルヴァケル/エリオ・ジェルマーノ
  3. 映画『君の話』北村匠海/出口夏希
PAGE TOP