REVIEW
凪良ゆうの同名ベストセラーを原作とする本作は、横浜流星の熱い想いが企画の発端だったといいます。「凪良の小説を映画化した『流浪の月』(22)が俳優人生の転機となったと語る横浜は、本書と出会い『この物語を生きたい』と切望。凪良に映画化への熱い想いを伝え、パートナーとなる監督には『彼しかいない』と(中略)藤井道人に打診」し、映画化が実現しました(映画公式資料)。

瀬戸内海に面する美しい島に転校してきた櫂(横浜流星)は、島で育った暁海(広瀬すず)に出会います。それぞれ複雑な家庭環境にいる2人は一緒にいる時間を過ごすうちに、お互いにとってかけがえのない存在になります。でも、運命に翻弄される2人は、何度も難しい選択に迫られます。

本作では、2人が出会ってからの15年間を描いています。高校生の2人の恋は苦しみのなかにいながらも輝いています。だからこそ、その後の展開が一層切なく映ります。自分の人生と家族の人生を天秤にかけざるを得ない状況で悩み、そこから抜け出したかと思えば、別の問題が表れ、2人はそれぞれに大きな何かを手放さなければいけなくなります。そのやるせなさが生々しく描かれています。

でも、そうしたなかで2人の成長がみられる点が魅力です。2人とも始めから人格の良さがみられるものの、未熟さも描かれています。だからこそ人間味を感じ、親近感が持てます。そして、お互いを想うからこそ素直になれない2人の様子を観て、もどかしく感じながらも、2人にとっての幸せとは何かを考えながら、見守るような気持ちで観てしまいます。

凪良ゆう原作の『流浪の月』(2022)でも好演していた横浜流星、広瀬すずは、本作でも物語の世界観にしっくりハマっています。また、劇中で激やせする横浜流星の姿を観ると、皆さん驚かれると思います。私もまさか…と思いながら観て、後に映画公式資料を読んで40㎏台まで体重を落としたと知り、驚いたと同時にやっぱり横浜流星ならそこまでやるのだなと納得しました。関西弁も、寝る間を惜しんで習得したそうです。

そして、脇には尾野真千子、木村佳乃、石田ゆり子、長谷川博己、濱田岳、松村北斗と豪華キャストが名を連ねています。彼等が演じるキャラクター達も個性豊かで、それぞれ印象に残ります。

本作は、あらゆる面で見応えバッチリです。主人公達は自分を犠牲にするしかないような苦しい選択を何度も迫られるので、他人事としては観られない面が多々あります。存分に心を揺さぶられながらご覧ください。
デート向き映画判定

2人の人間の人生が交わろうとする時、いろいろな意味でやっぱりタイミングって重要だなと感じさせるストーリーです。本作は、お互いを想い合ってるだけでは上手くいかない時もあるという生々しい現実を描いています。また、お互いの人間的な成長具合が噛み合っていなければ、すれ違いも大きくなるとわかります。恋愛における現実と希望の両方を客観視した上で、どういう形になろうと前に進みたい方は、パートナーと一緒に観るのもアリでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

社会に出る前と社会に出た後では、状況が大きく異なります。それが自分だけではなく、好きな人との未来なら余計に何があるかは読めません。本作を観ると、物理的な距離だけではなく、心理的な距離って、こういう風に縮まったり、離れたりするのだなと知れると思います。今漠然とした不安にかられているなら、悲観的にも楽観的にもなり過ぎない視点を得られるかもしれません。

『汝、星のごとく』
2026年10月9日より全国公開
PG-12
東宝
公式サイト
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©2026「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社
TEXT by Myson
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情報は2026年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。





























