REVIEW

なんのちゃんの第二次世界大戦

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『なんのちゃんの第二次世界大戦』西めぐみ

本作は、太平洋戦争の平和記念館を設立させることで、ある人物の過去を改ざんしようとする市長(吹越満)と、それに反対する戦犯遺族、南野一家の物語。戦争や政治といったテーマを扱っていますが、どちらかというと市長と南野一家を中心とした群像劇がメインとなっているので、人間ドラマとしても観られます。南野一家の人々は市長に反発するために、かなり過激な行動をとりますが、その裏にどんな想いが隠されているのか、各人物に注目しながらご覧ください。 また、本作はフィクションですが、登場人物達がバラバラの思想を持ち、何が真実なのかわからなくなっていく展開は、現代社会にも通ずる部分があると思います。年々、戦争を知る世代が減っていくなかで、本作の市長のような人達により、過去がねじ曲げて伝えられているとしたら、本当に怖いことですし、真実を追究することの大切さも感じられます。市長vs南野一家の攻防戦がどのように決着を付けるのか、ぜひ本編で観届けてください。

デート向き映画判定
映画『なんのちゃんの第二次世界大戦』吹越満

デートのムードを盛り上げる要素はありませんが、映画好き、ベテランカップルなら、観ても良いと思います。戦争や政治といったテーマが描かれているので、たまにはこういった作品を観て、観賞後は本作の感想と一緒に相手の社会の見方を聞いてみるのも良いと思います。ただし、議論に熱くなりすぎて、本作の登場人物達のように過激な発言や行動をしないように気を付けてください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『なんのちゃんの第二次世界大戦』西めぐみ

子ども達も多く登場する作品ですが、戦争や政治をテーマにした物語なので、キッズは、できれば中学生くらいになって、ある程度戦争や政治について勉強してから観るほうがより理解が深まりそうです。ティーンの場合は、誰がどんな主張をしていて、どこに真実があるのか、考えながら観てください。これを機に、戦争の背景についてご自身で調べるのも良いと思います。

映画『なんのちゃんの第二次世界大戦』西めぐみ

『なんのちゃんの第二次世界大戦』
2021年5月8日より全国順次公開
なんのちゃんフィルム
公式サイト

©なんのちゃんフィルム

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年11月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年11月】のアクセスランキングを発表!

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  2. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  3. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  4. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  5. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP