REVIEW

Red

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『Red』夏帆/妻夫木聡

妻夫木聡と夏帆の演技力が存分に感じられる大人のラブストーリー。ステレオタイプの“幸せ”な生活に窮屈さを感じ、本当の自分の幸せを探し始めた人はどうなってしまうのか。日々の中で薄々違和感がありながら、気付かないふりをして生きているほうが楽だと思う人のほうが世の中には多いように思います。そういう生き方について、自分に問うきっかけになる部分が本作にはあると同時に、塔子や鞍田のように“孤”を強く持つ人の生きづらさも描いています。本作の塔子は一見朗らかで協調的に見えますが、どこか心を閉ざしている部分があって、限られた人にしか心を許さない面が見て取れます。でも、それでは人と上手く付き合っていけないと考えて、周囲の価値観に合わせようとしてしまう部分もあるでしょう。こういう面は多少なりとも皆にあるはずで、塔子が置かれた設定に関わらず、感情移入できる部分があると思います。そういった広い意味でも、自分らしい生き方とは何か、誰かと生きるとはどういうことか、結婚とは何か…と、いろいろな視点で観ることができる作品です。
ストーリー自体はセンセーショナルな部分があり、賛否両論出てくると思いますが、だからこそ見応えがあります。妻夫木聡、夏帆を始め、間宮祥太朗、柄本佑の名演も見ものです。本作からいろいろな刺激を受け取ってください!

デート向き映画判定
映画『Red』夏帆/妻夫木聡

塔子と鞍田のラブシーンはとても丁寧に描かれていて濃厚です。性行為にフォーカスしているのではなく、2人の心情を描くためのシーンではありますが、初デートだとやはり少々気まずいでしょう。夫婦で観る場合は、良くも悪くも刺激が強いので、不安定な状態の場合は一緒に観るのは避けたほうが良さそうです。クライマックスで塔子の夫が彼女にある問いを投げかけるシーンでは、根本的に2人が違う人種だということが絶妙に表れています。今交際中の人、もしくは旦那さんと、しっくりいかないことに悩んでいる場合、気付きたくないことに気付いてしまう覚悟で観てください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『Red』夏帆/妻夫木聡

R-15なので、15歳未満の人は観られません。15歳以上の人でも、まだ子どもの立場である皆さんにとっては衝撃的なストーリーです。「大人になればわかる」という言葉で片付けたくはありませんが、似たようなことを経験している人にとってはとても苦しい内容なので、もう少し大人になって、何よりも夢中になるほど好きな人ができた時に観て欲しいと思います。

映画『Red』夏帆/妻夫木聡

『Red』
2020年2月21日より全国公開
R-15+
日活
公式サイト

©2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ Dear Stranger/ディア・ストレンジャー【レビュー】

真利子哲也監督(脚本も担当)による西島秀俊主演作という情報のみで、毎度ながら前情報をほぼ入れずに観て、いろいろ良い驚きが…

映画『風のマジム』伊藤沙莉 風のマジム【レビュー】

マジムって何だろうから始まり、すぐに主人公の名前とわかると、次に「じゃあ、風のマジムってどういうことなんだろう?」という具合に…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  2. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  3. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  4. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ
  5. 映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP