REVIEW

ジガルタンダ・ダブルX【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ジガルタンダ・ダブルX』ラーガヴァー・ローレンス/S・J・スーリヤー

REVIEW

まず、「クリント・イーストウッドとサタジット・レイが出会う南インドで、森と巨象のウエスタンの幕が上がる」というキャッチコピーが気になり過ぎます(笑)。要素が大渋滞しているので「どういうこと??」となり、これは観ないわけにはいきませんよね。本作は、カールティク・スッバラージ監督によるギャングスター・ミュージカル『ジガルタンダ』(2014)の2作目にあたります。とはいえ、映画公式サイトにもあるように、前作と本作はストーリーとしての繋がりは薄いため、本作から観ても全然問題ありません。私も本作から観ました。

映画『ジガルタンダ・ダブルX』ラーガヴァー・ローレンス/S・J・スーリヤー

毎度のことながら私は鑑賞前に情報を入れないので、設定も不明なまま鑑賞し始めて、「お前が芸術(シネマ)を選ぶのではない、芸術(シネマ)がお前を選ぶのだ」というもう一つのキャッチコピーにもキョトンとしていたわけです(笑)。でも、そのほうがどうやって映画の話に繋がるのか全く予想がつかない展開を倍楽しめます。そして、キルバイを演じたS・J・スーリヤーがすごく良い味を出していて、映画の話に繋がる節目となるシーンで何度も爆笑しました。

映画『ジガルタンダ・ダブルX』ラーガヴァー・ローレンス

というわけで、良い意味で「なんなんだ、この映画は!」と掘り出し物を見つけた感覚で観始めて、その後も独創的なストーリーに魅了されます。でも、前半はコミカルに展開しつつ、後半はシリアスなトーンに変わっていきます。気になるキャッチコピーにあった“森と巨象のウエスタン”という部分も見事に繋がっていきますよ。

映画『ジガルタンダ・ダブルX』S・J・スーリヤー

そして、そもそも映画がテーマの1つになっている点から伝わってくるように、本作には映画愛が詰まっています。映画ファンからするとニヤニヤしてしまうシーンも出てきますよ。さらにクライマックスでは、映画の力を信じている人達が熱い思いで作ったのだなとしみじみ感じるメッセージが込められています。クリント・イーストウッドが出てくるのかどうかも含めて楽しみにご覧ください。

デート向き映画判定

映画『ジガルタンダ・ダブルX』ラーガヴァー・ローレンス/S・J・スーリヤー

ギャングと警察の話なので、露骨に映してはいないものの、刺激の強い描写もあるので、初デートには不向きかなと思います。ある程度お互いの好みがわかってきたら、一緒に観るのも良いでしょう。ツッコミどころが満載でありつつ、後半はシリアスな展開で見応えがあるので、鑑賞後の会話も弾みそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ジガルタンダ・ダブルX』ラーガヴァー・ローレンス

上映時間は172分と長いものの、テンポ良くストーリーが進んでいくので、比較的観やすいと思います。とはいえ、複数出てくる組織がどういう関係にあるのかは話が見えるまで少しややこしいので、映画鑑賞における集中力と理解力がある程度身に付いてから観るほうが良いでしょう。

映画『ジガルタンダ・ダブルX』ラーガヴァー・ローレンス/S・J・スーリヤー

『ジガルタンダ・ダブルX』
2024年9月13日より全国公開
PG-12
SPACEBOX
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©Stone Bench Films ©Five Star Creations ©Invenio Origin

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン ペンギン・レッスン【レビュー】

『ペンギン・レッスン』というタイトルが醸し出す世界観、スティーヴ・クーガンやジョナサン・プライスといった名優がメインキャストに名を連ねていることからして…

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平 WIND BREAKER/ウィンドブレイカー【レビュー】

にいさとる作の同名漫画を原作とする本作は、不良グループが街を守るというユニークな設定…

映画『ナイトフラワー』北川景子 北川景子【ギャラリー/出演作一覧】

1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年11月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年11月】のアクセスランキングを発表!

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン
  2. 映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平
  3. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  4. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  5. 映画『消滅世界』蒔田彩珠

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP