REVIEW

チネチッタで会いましょう【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マチュー・アマルリック

REVIEW

ナンニ・モレッティの監督人生50年の集大成といわれる本作の主人公は、ナンニ・モレッティ自身が演じる映画監督ジョヴァンニです。タイトルに入っている“チネチッタ”とは、本作の公式サイトによると、ルキノ・ヴィスコンティの『ベリッシマ』、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』、ウィリアム・ワイラーの『ベン·ハー』や『ローマの休日』など、数々の名作が生まれたローマの映画撮影所のことだそうです。映画監督が主人公で撮影所が舞台となっているので、どっぷり映画の話になっています。

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ

本作では、ジョヴァンニが撮影中の最新作(劇中劇)の物語と、ジョヴァンニ自身の日常を映した物語が併行して進んでいきます。途中途中、ユニークな演出のシーンも出てきて、おもしろい構成になっています。ナンニ・モレッティ監督の過去作や、フェデリコ・フェリーニやクシシュトフ・キェシロフスキ、マーティン・スコセッシなどの作品へのオマージュもあり、映画好きにはたまらない内容となっています。

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マルゲリータ・ブイ/マチュー・アマルリック

こだわりが強くこじらせキャラのジョヴァンニの日常もすごくリアルで、撮影現場を覗いている感覚を味わえます。なんといってもナンニ・モレッティが演じるジョヴァンニが面倒だけど憎めないキャラで親近感が湧きます。ジョヴァンニが経験するドタバタも現実なら辟易しそうですが、映画として観るには微笑ましく、クスッと笑えます。皆さんもホッコリしながら、映画撮影の裏側を覗く感覚でお楽しみください。

デート向き映画判定

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マルゲリータ・ブイ

仕事とプライベートの両立について考えさせられる部分があります。片方はずっと二人三脚でやってきて、これからも変わらないだろうと思っているのに、もう一方は我慢の限界にきている…。これって、ベテランカップルにありがちですよね!?そんな状況に自分達も陥っている可能性を感じたら、観てみてください。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ

皆さんの年頃でヨーロッパ映画を観ている人はまだ少ないかもしれません。逆に10代で既にヨーロッパ映画に興味を持ち始めているなら相当な映画好きといえそうです。ナンニ・モレッティ監督作はもちろん、他の巨匠達の作品にも触れるので、映画の知識が増えてから観るほうが楽しめそうですが、映画作りに興味を持っている方なら、制作者目線で撮影現場を見学する感覚で楽しめるのではないでしょうか。

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マルゲリータ・ブイ/シルヴィオ・オルランド/バルボラ・ボブローヴァ/マチュー・アマルリック

『チネチッタで会いましょう』
2024年11月22日より全国公開
チャイルド・フィルム
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ナイトフラワー』渋谷龍太 渋谷龍太【ギャラリー/出演作一覧】

1987年5月27日生まれ。東京都出身。

映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド 悪魔祓い株式会社【レビュー】

本作は、『悪人伝』や“犯罪都市”シリーズ、ハリウッド映画『エターナルズ』などでお馴染みのマ・ドンソクが…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ 『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

映画『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 イクサガミ【レビュー】

今村翔吾著のベストセラー「イクサガミ」シリーズを原作とする本シリーズでは、岡田准一が主演、プロデューサー、アクションプランナー、藤井道人、山口健人、山本透が監督と脚本を担当…

映画『TOKYOタクシー』蒼井優 蒼井優【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月17日生まれ。福岡県出身。

映画『バーフバリ エピック4K』来日舞台挨拶イベント、プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ(プロデューサー) プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ来日!『バーフバリ エピック4K』には追加シーンも

2025年に劇場公開10周年を迎える大ヒット作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ2 王の凱旋』を一つの作品として再編集し、壮大な物語を4K映像で体験できる『バーフバリ エピック4K』の日本公開を目前にして、バーフバリ役のプラバースと、プロデューサーのショーブ・ヤーララガッダが来日しました。

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 楓【レビュー】

残酷過ぎて、切な過ぎて、優し過ぎて、どうしましょ(笑)。ネタバレを避けると、ほぼ何も書けませんが…

【東京コミコン2025】オープニング:イライジャ・ウッド、カール・アーバン、リー・トンプソン、トム・ウィルソン、クローディア・ウエルズ、ダニエル・ローガン、ジョン・バーンサル、クリスティーナ・リッチ、イヴァナ・リンチ、ノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリー、ジャック・クエイド、マッツ・ミケルセン、浅野忠信、ピルウ・アスベック、セバスチャン・スタン、ジム・リー、C.B.セブルスキー、フランク・ミラー、クリストファー・ロイド、中丸雄一(MC)、伊織もえ(PR大使)、山本耕史(アンバサダー) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』一行や人気アメコミ出演者達が勢揃い!【東京コミコン2025】オープニングセレモニー

年末恒例行事となった東京コミコンのオープニングセレモニーを取材してきました。今年は過去最高といえるのではないかという数のスター達が来日してくれました。

映画『ズートピア2』 ズートピア2【レビュー】

さまざまな動物達が人間と同じように暮らすズートピアを舞台にした本シリーズは…

映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル エディントンへようこそ【レビュー】

アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスの2度目のタッグが実現した本作は、メディアの情報に翻弄される人々の様子を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド
  2. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一
  3. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  4. 映画『ズートピア2』
  5. 映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル

PRESENT

  1. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP