REVIEW

ディア・エヴァン・ハンセン【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ディア・エヴァン・ハンセン』ベン・プラット

社交不安障害を持つエヴァン・ハンセンは、孤独な学校生活を送っています。そんなある日、エヴァンは1人の青年とひょんなやり取りを交わしますが、それがきっかけで彼の家族との関係が生まれます。伏線も楽しんでいただきたいので詳細は映画で観ていただくとして、本作は生きづらさを抱える人達の内面を描いている点で、若い方はもちろん年齢を問わず誰にでも共感できると思います。
ストーリーの根底に若者達の苦しみや悲しみがあるので終始切なさは漂いますが、ミュージカルで表現されている分、観やすいと思います。同時に人の優しさに溢れるストーリーとも言えて、悲しくて辛いけれど救いがあります。監督のスティーヴン・チョボスキーといえば、『ウォールフラワー』(原作、脚本、監督、製作総指揮監督)、『RENT/レント』(脚本)、『ワンダー 君は太陽』(監督)、ディズニー映画の実写版『美女と野獣』(脚本)を手掛けており、“若者の苦悩”“優しさ”“ミュージカル”といった共通のキーワードからも、本作はチョボスキー監督が得意中の得意とするところで“間違いない”作品と言えます。また、主演はブロードウェイ版の初代エヴァン役として高評価を得たベン・プラット。彼は歌唱力も抜群ですが、役にピッタリなので自然に感情移入できます。他のキャスト達も名演、素晴らしい歌声を披露していますので、ミュージカルとしての見応えも充分です。
エヴァン・ハンセンの体験を通して、観ている側も辛さを味わうところはありますが、最後にはとても清々しい気持ちになれるので、癒やしが欲しい方はぜひご覧ください。

デート向き映画判定
映画『ディア・エヴァン・ハンセン』ベン・プラット

人は見た目だけではわからないこと、誰もが心に何かを抱えていることを実感させられるストーリーなので、一緒に観て2人ともこういった視点を得ることはカップルとして交際する上でも良い影響になると思います。かなり泣ける内容なので、メイク直し、ハンカチを持参することをオススメします。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ディア・エヴァン・ハンセン』ベン・プラット/ジュリアン・ムーア

年齢問わず共感できる内容ではありますが、特に皆さんの世代にはドンピシャな作品です。表面的なところだけを見て「あの人はこんな人」と思っていても、実はそうでないことも多々あります。自分もそうやって人に誤解されているかもしれないし、自分も他者を誤解しているかもしれないということに気付かせてくれて、優しさ、強さって何だろうと考えるきっかけを与えてくれる内容です。孤独感で辛くなっている方は少しだけ気持ちが楽になれるのではないでしょうか。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』ベン・プラット

『ディア・エヴァン・ハンセン』
2021年11月26日より全国公開
東宝東和
公式サイト

TEXT by Myson

© 2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ AFRAID アフレイド【レビュー】

『M3GAN/ミーガン』を手掛けたブラムハウスのチームが本作でも進化し過ぎたAIの脅威を描いています…

映画『楓』北島岬 北島岬【ギャラリー/出演作一覧】

2007年8月6日生まれ。千葉県出身。

映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン 心理学から観る映画60:記憶障害の診断「神経認知領域」と「病因」からみる『殺し屋のプロット』

今回は、急速に進行してしまう認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に冒された殺し屋の最後の“仕事”を描く『殺し屋のプロット』を取り上げます。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ 『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶 星と月は天の穴【レビュー】

映画に対してというよりも、本作で描かれる男女のやり取りについては、解釈の仕方および、その解釈に伴った好みが…

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ【レビュー】

REVIEWシリーズ3作目となる本作でも、まず映像美と迫力に圧倒されます。物理的に目の前で…

映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗 新解釈・幕末伝【レビュー】

幕末を描いた本作は、“新解釈”とタイトルにあるように、ユニークな解釈で描かれて…

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』来日ジャパンプレミア、ジェームズ・キャメロン監督、山崎貴監督、宮世琉弥 お互いの才能を讃え合うジェームズ・キャメロン監督と山崎貴監督、若者代表、宮世琉弥も感動『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』来日ジャパンプレミア

最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』のワールドツアーの一環として、ジェームズ・キャメロン監督が3年ぶりに来日。山崎貴監督と宮世琉弥も会場に駆けつけました。

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』八木莉可子 八木莉可子【ギャラリー/出演作一覧】

2001年7月7日生まれ。滋賀県出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  2. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  3. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ

REVIEW

  1. 映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ
  2. 映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶
  3. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン
  4. 映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗
  5. 映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー

PRESENT

  1. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 映画『サリー』エスター・リウ
PAGE TOP