REVIEW
普段極力前情報を入れずに観るので、本作の背景も知りませんでした。だから、とてもイイ話だなとウルウルしてたら、最後にトレイシー・レイモン監督が実際に体験した出来事から生まれた作品だと知り、なお感動。映画公式サイトにはあらすじが書かれてあるものの、皆さんにも予測できない展開を味わってもらえるよう、ここでは敢えて伏せておきます。

リリー・トレヴィノ(バービー・フェレイラ)は、酷い仕打ちを受けても、相手に怒りをぶつけることができません。母は幼い頃に家を出て、身勝手な父はリリーを振り回し、大切にしているようには見えません。それでもリリーは父の言う通りにしていたものの、ある出来事をきっかけに父から絶縁されてしまいます。そんななか、リリーはボブ(ジョン・レグイザモ)と出会います。

リリーには寄り添ってくれる人が必要であるとわかると同時に、ある意味でボブにも人との繋がりが必要に思えます。普段の通りに生活していたら出会うことはないか、出会ったとしても一瞬のやり取りで終わりそうな2人が、ひょんなことから友情を築いていく様子を観ていると、運命としか思えません。

現代社会では、性善説に限界がきているといっても過言ではないでしょう。だから、見知らぬ人と奇妙な出会い方をした際、警戒心を抱いて当然です。そんななか、世代も性別も違う者同士、さらに良心を持つ者同士が、絶妙なタイミングで出会えるなんて本当に奇跡です。静かにそばでリリーを見守っていたダフネ(ローレン・“ロロ”・スペンサー)の存在にも癒されます。家族との絆があるのにこしたことはないですが、固執せずに見回してみると、絆を築ける相手って意外なところにいるのかもしれません。

クライマックスは現実的でありつつも、知らぬ間に敷かれていた伏線の回収によって、感動が倍増します。これがレイモン監督の実体験から生まれたストーリーだと思うと、この世の中もまだ捨てたものではないなと感じます。自分の境遇に失望、絶望する日々に疲れている方は特に観て欲しい1作です。
デート向き映画判定

ラブストーリーではない一方で、不誠実な恋愛の事例が出てきます。なので、どこかしっくりきていない相手と交際中の方は1人で観るほうが、自分の現実を冷静に客観視する機会にできるかもしれません。中心は家族の物語なので、特に家族の問題を抱えている方は感情移入をし易いと思います。パートナーに自分の家族関係を打ち明けたい方は、本作を一緒に観て家族観を話し合う機会にするのもオススメです。
キッズ&ティーン向き映画判定

幼い頃に母に捨てられ、父の愛も感じられず、リリーはすごく傷ついています。それでも必死に父との関係を保とうとしていたリリーが、ボブと出会ったことで自分はもっと大切にされていい存在なのだと気づき、変化していきます。その様子を観ると、固定観念に縛られず、いろいろな人間関係があっていいと思えるのではないでしょうか。

『私たちは、ちょうどいい。』
2026年9月11日より全国順次公開
AMG エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2026年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。





























