REVIEW

私というパズル【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
Netflix映画『私というパズル』ヴァネッサ・カービー/シャイア・ラブーフ

毎度なるべく映画についての内容、情報を入れずに観るので、余計に「こんなお話だったのか〜」と打ちのめされました。最後まで観ると救いはありますが、主人公マーサ(ヴァネッサ・カービー)と夫のショーン(シャイア・ラブーフ)、そして彼女の家族がとても大きな悲しい出来事を経験し再生していく物語で、気持ちのやり場がない出来事でもあるので、観ているだけでも彼等の辛い気持ちを体感できます。最初のシーンをすごく丁寧にじっくり撮っているのが印象的ですが、それは後に続く重要な要素だったからだとわかります。そのシーンでのマーサとショーンのやり取りも、その後の2人の関係性の変化を際立たせていて、演出の妙も感じます。ヴァネッサ・カービーとシャイア・ラブーフの演技も見事で、それぞれ反応は違えども両者の思いに共感せずにはいられません。
人はとても辛い出来事に遭った時、いろいろな反応をし、そこに生き方が表れるのだなとつくづく思いました。早く前に進みたい気持ちで誰かのせいにしたくなる気持ちもわからなくもないですが、マーサのように自分に正直に生きていこうとする姿勢はとても素敵です。邦題は『私というパズル』、原題は“PIECES OF A WOMAN”ですが、女性はさまざまな要素から構成されているというのを改めて見つめ直すことができるストーリーです。ぜひ女性の皆さんに観て欲しい1作ですが、妊婦さんや妊活中の方はしばらく経って落ちついてから観ることをオススメします。

デート向き映画判定
Netflix映画『私というパズル』ヴァネッサ・カービー

劇的にショックな出来事を経験した時に、カップルや夫婦で反応や対処の仕方が同じとは限らず、2人の関係も大きく変わってしまう可能性を感じる内容です。なので、お互いのことしか目に入らないほどアツアツのカップルが観ると、急に現実的な世界に引き戻されるかもしれません(苦笑)。ただ、今は平和な毎日を過ごせているならば、今こそこういう作品を一緒に観て、考え方を話し合うのも良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
Netflix映画『私というパズル』ヴァネッサ・カービー

本作は、15歳未満の未成年者の視聴は推奨されていないということもありますが、内容そのものが大人向けです。ただ、気持ちのやり場がない出来事に苦しむという経験は誰にでもあるし、家族同士のさまざまな思いが絡み合って関係がギクシャクするということも多少なりとも誰もが経験すると思います。それを客観視できる作品であり、改めて自分についても見つめ直すことができるストーリーなので、年齢を問わず観て得るものはあるでしょう。

Netflix映画『私というパズル』ヴァネッサ・カービー

『私というパズル』
2021年1月7日よりNetflixにて配信中
R-15+相当
公式サイト

Benjamin Loeb / Netflix

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年7月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年7月】のアクセスランキングを発表!

映画『アイム・スティル・ヒア』フェルナンダ・トーレス/セルトン・メロ アイム・スティル・ヒア【レビュー】

REVIEW『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』などで知られるウ…

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー 心理学から観る映画57:イライラするのは何のせい?認知的フュージョン

前回に引き続き、トーキョー女子映画部正式部員の方からいただいたお悩み相談に関する話題を提供します。

映画『スタントマン 武替道』フィリップ・ン フィリップ・ン【ギャラリー/出演作一覧】

1977年9月16日生まれ。香港出身。

映画『美しい夏』イーレ・ヴィアネッロ/ディーヴァ・カッセル 美しい夏【レビュー】

20世紀のイタリア文学を代表する作家であり詩人チェーザレ・パヴェーゼが、ファシズム体制下の1940年に執筆し、1949年に刊行、翌年にストレーガ賞を受賞した同名小説を映画化…

映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スカーレット・ヨハンソン ジュラシック・ワールド/復活の大地【レビュー】

“ジュラシック”シリーズは、1993年を皮切りに、これまで3部作が2組作られ…

映画『違国日記』伊礼姫奈 伊礼姫奈【ギャラリー/出演作一覧】

2006年2月7日生まれ。群馬県生まれ。

映画『アンティル・ドーン』エラ・ルビーン アンティル・ドーン【レビュー】

PlayStation®の人気ゲーム“Until Dawn —惨劇の山荘—”を原作とした本作は、『ライト/オフ』や『アナベル 死霊人形の誕生』を撮ったデヴィッド・F・サンドバーグが監督を務めています…

映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン 『バード ここから羽ばたく』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待

映画『バード ここから羽ばたく』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待

映画『入国審査』アルベルト・アンマン/ブルーナ・クッシ 入国審査【レビュー】

スペインからアメリカへ移住するため、飛行機でニューヨークに到着したディエゴとエレナは、入国審査で足止めされて…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 大友啓史監督と語ろう!『宝島』応援部活 参加者募集

なんと、大友啓史監督に座談会にご参加いただきます!大友監督と直接本作についてお話できる大変貴重な機会です。ぜひ、ご応募ください。 by マイソン

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  2. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  3. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド

REVIEW

  1. 映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント
  2. 映画『アイム・スティル・ヒア』フェルナンダ・トーレス/セルトン・メロ
  3. 映画『美しい夏』イーレ・ヴィアネッロ/ディーヴァ・カッセル
  4. 映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スカーレット・ヨハンソン
  5. 映画『アンティル・ドーン』エラ・ルビーン

PRESENT

  1. 映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン
  2. 映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』トートバッグ
  3. 映画『パトリックとクジラ 6000日の絆』パトリック・ダイクストラ
PAGE TOP