REVIEW

凪待ち

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『凪待ち』香取慎吾

ある殺人事件が起こりますが、犯人捜しをするのがメインのお話ではありません。ギャンブルに溺れ、恋人に甘えて暮らしていた男が、心を入れ替えられるか否かを追うストーリーが軸になっていて、彼とその周囲の人間が殺人事件を経て、再生していく様が描かれています。香取慎吾が演じるキャラクターが本当にどうしようもなく堕落してしまっていて、そこに追い打ちをかけるように辛い出来事が起き、絶望的な状況に陥りますが、大切な人が亡くなったからといって、すぐに心を入れ替えられるわけではないという点が、人生の難しさ、人間が抱える深い闇をリアルに表しています。また、主人公以外にも心が病んでいるキャラクターはたくさんいて、悪人か善人かは、単純に分けられないし、1人の人間の中に善悪が両方あることを実感します。
タレントとしては快活なイメージの香取慎吾が、こういった役柄を演じているのも新鮮で、年を重ねて独特な味が出てきているのも見どころ。俳優としてのチャレンジ精神も伝わってきます。

デート向き映画判定
映画『凪待ち』香取慎吾/リリー・フランキー

主人公のカップルを見ていると、複雑な心境になる部分が多々あり、デートで観て盛り上がる内容とは言えません。主人公と同じような状況で苦労している場合は、反面教師として観られる可能性もありますが、立ち直るまでにだいぶ時間がかかるので、こうなっても「仕方がない」という例とされたら、相手は辛いですよね。なので、1人でじっくり観るか、仲の良い友達と観るほうが楽しめると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『凪待ち』香取慎吾/恒松祐里/吉澤健

PG-12なので12歳未満の人は保護者同伴なら観られますが、内容が大人向けなので、せめて中学生以上になってから観るほうが、それぞれのキャラクターの心情をリアルに想像しながら観られると思います。心は優しいのに、良くないことをしてしまう人間も何人か出てくるので、今後の人間関係の参考になる部分があるでしょう。

映画『凪待ち』香取慎吾/恒松祐里/西田尚美/吉澤健/音尾琢真/リリー・フランキー

『凪待ち』
2019年6月28日より全国公開
PG-12
キノフィルムズ
公式サイト

© 2018「凪待ち」FILM PARTNERS

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

【映画でSEL】とは:解説動画を公開 【映画でSEL】とは:解説動画を公開

【映画でSEL】について文章による説明だけでは少し難しく思われたり、私自身がなぜ【映画でSEL】の開発に取り組み始めたかに興味をもっていただくこともあるので、解説動画を作成し公開しました。よろしければご覧ください。

Netflix映画『新幹線大爆破』草彅剛 新幹線大爆破【レビュー】

映画『新幹線大爆破』(1975年版)を原作とし、『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』の樋口真嗣監督が…

映画『クィア/QUEER』ダニエル・クレイグ/ドリュー・スターキー クィア/QUEER【レビュー】

REVIEW「裸のランチ」の著者としても知られるウィリアム・シュワード・バロウズの同名小説…

映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督 映画の力を信じている『宝島』完成報告会見にて、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督が語った熱い思い

第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞と三冠に輝いた真藤順丈による同名小説を映画化した『宝島』が遂に完成!本作の完成報告会見が行われ、主演の妻夫木聡をはじめ、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督が撮影を振り返りつつ、作品への思いを語りました。

映画『リライト』橋本愛 橋本愛【ギャラリー/出演作一覧】

1996年1月12日生まれ。熊本県出身。

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』来日記者会見:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、サイモン・ペッグ、ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、クリストファー・マッカリー監督 どんなに大きな挑戦でも、絶対に諦めないby トム・クルーズ『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』来日記者会見

シリーズ集大成といわれる『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の日米同時公開を目前にして、トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、サイモン・ペッグ、ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、クリストファー・マッカリー監督が来日しました…

映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』ケイト・ウィンスレット リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界【レビュー】

本作は「英国版『VOGUE』誌の記者として第二次世界大戦中のヨーロッパを取材した、アメリカの先駆的な従軍記者兼写真家」として知られるリー・ミラーの実話…

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』 パディントン 消えた黄金郷の秘密【レビュー】

“パディントン”シリーズ3作目となる本作でも…

映画『ノスフェラトゥ』 ノスフェラトゥ【レビュー】

ロバート・エガース監督は幼い頃にサイレント映画『吸血鬼 ノスフェラトゥ』(1922年)の虜になり…

映画『けものがいる』レア・セドゥ 心理学から観る映画53:感情は有害か有用か

『けものがいる』と『シンシン/SING SING』は全く内容は異なるものの、感情の必要性について考えさせられるストーリー…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画でSEL】とは:解説動画を公開
  2. 映画『けものがいる』レア・セドゥ
  3. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

REVIEW

  1. Netflix映画『新幹線大爆破』草彅剛
  2. 映画『クィア/QUEER』ダニエル・クレイグ/ドリュー・スターキー
  3. 映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』ケイト・ウィンスレット
  4. 映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』
  5. 映画『ノスフェラトゥ』

PRESENT

  1. 映画『秋が来るとき』エレーヌ・ヴァンサン/ジョジアーヌ・バラスコ
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 映画『マリリン・モンロー 私の愛しかた』マリリン・モンロー
PAGE TOP