REVIEW

おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム

REVIEW

バッド・ジーニアス 危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は、本国タイで記録的な大ヒットを飛ばしました。

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム

本作の主人公は、大学を中退し、ゲーム実況者を目指す青年エム(プッティポン・アッサラッタナクン/ビルキン)です。エムは従姉妹のムイが祖父の介護の末に豪邸を相続したのにならい、始めは邪な気持ちから、一人暮らしの祖母メンジュ(ウサー・セームカム)の世話を買って出ます。でも、メンジュが家族を大切にする姿を間近で見ているうちに、メンジュに対する気持ちに変化が出てきます。

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム/サンヤー・クナーコン/サリンラット・トーマス

前半は、財産相続を期待する孫のエムと、彼の目論見を見透かしたようにあしらうメンジュのやり取りがコミカルに描かれています。一方、後半はメンジュの孤独感が描かれると同時に、メンジュや娘シウ(サリンラット・トーマス)が男性優位社会において辛酸をなめてきたことが伝わってくるストーリーとなっています。そして、息子や娘を大切に育ててきたメンジュの人となりや、自分がいなくなった後の子ども達に対する思いがヒシヒシと伝わってきます。

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム

全体を通して、エムとメンジュの関係性の変化が軸に描かれており、2人の間に絆が生まれるだろうことは誰もが予測できるでしょう。でも、そんな単純なストーリーではないからこそ、本作は見応えがあります。ある出来事をきっかけに、エムはメンジュの思いがわからなくなります。そんななか、クライマックスで伏線が一気に回収されていき、メンジュが孫エムに対してどんな思いを持っていたかが明かされます。そして、真相を知った後のエムの行動にもメンジュへの深い愛が溢れていて、ラストは胸がいっぱいになります。大切な人との約束は絶対に忘れない、そんなシンプルだけれど尊いことを改めて教えてくれる1作です。

デート向き映画判定

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム

家族の生々しい側面も描きつつ、家族の存在の尊さも描いていて、本作を観た後は、自然に家族の話をしたくなるでしょう。改めて家族の話をする機会は意外にないと思うので、お互いをもっと知るために本作を一緒に観て、家族との思い出を語り合うのも良いですね。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン

祖父母と孫との関係は独特で、本作を観ていると、距離感が程よいと感じます。また、おばあちゃんの目線から家族がどう見えているのかを知ると、それぞれの家族の短所と長所がわかるだけでなく、誰に何が本当に必要かが客観視できます。自分がエムの立場だったらと想像しながら観ると、これから何を大切にして生きていきたいかがわかる部分があるのではないでしょうか。

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム

『おばあちゃんと僕の約束』
2025年6月13日より全国順次公開
アンプラグド
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©2024 GDH 559 CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年6月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『美しい夏』イーレ・ヴィアネッロ/ディーヴァ・カッセル 美しい夏【レビュー】

20世紀のイタリア文学を代表する作家であり詩人チェーザレ・パヴェーゼが、ファシズム体制下の1940年に執筆し、1949年に刊行、翌年にストレーガ賞を受賞した同名小説を映画化…

映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スカーレット・ヨハンソン ジュラシック・ワールド/復活の大地【レビュー】

“ジュラシック”シリーズは、1993年を皮切りに、これまで3部作が2組作られ…

映画『違国日記』伊礼姫奈 伊礼姫奈【ギャラリー/出演作一覧】

2006年2月7日生まれ。群馬県生まれ。

映画『アンティル・ドーン』エラ・ルビーン アンティル・ドーン【レビュー】

PlayStation®の人気ゲーム“Until Dawn —惨劇の山荘—”を原作とした本作は、『ライト/オフ』や『アナベル 死霊人形の誕生』を撮ったデヴィッド・F・サンドバーグが監督を務めています…

映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン 『バード ここから羽ばたく』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待

映画『バード ここから羽ばたく』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待

映画『入国審査』アルベルト・アンマン/ブルーナ・クッシ 入国審査【レビュー】

スペインからアメリカへ移住するため、飛行機でニューヨークに到着したディエゴとエレナは、入国審査で足止めされて…

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ペドロ・パスカル/ヴァネッサ・カービー/ジョセフ・クイン/エボン・モス=バクラック ファンタスティック4:ファースト・ステップ【レビュー】

新たに作られた本作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』にはどんな斬新な要素があるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう…

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 大友啓史監督と語ろう!『宝島』応援部活 参加者募集

なんと、大友啓史監督に座談会にご参加いただきます!大友監督と直接本作についてお話できる大変貴重な機会です。ぜひ、ご応募ください。 by マイソン

映画『マリリン・モンロー 私の愛しかた』マリリン・モンロー マリリン・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1926年6月1日生まれ。アメリカ生まれ。1962年8月5日逝去。

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』トートバッグ 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』オリジナルトートバッグ 2名様プレゼント

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』オリジナルトートバッグ 2名様プレゼント

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 大友啓史監督と語ろう!『宝島』応援部活 参加者募集

なんと、大友啓史監督に座談会にご参加いただきます!大友監督と直接本作についてお話できる大変貴重な機会です。ぜひ、ご応募ください。 by マイソン

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  2. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド
  3. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也

REVIEW

  1. 映画『美しい夏』イーレ・ヴィアネッロ/ディーヴァ・カッセル
  2. 映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スカーレット・ヨハンソン
  3. 映画『アンティル・ドーン』エラ・ルビーン
  4. 映画『入国審査』アルベルト・アンマン/ブルーナ・クッシ
  5. 映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ペドロ・パスカル/ヴァネッサ・カービー/ジョセフ・クイン/エボン・モス=バクラック

PRESENT

  1. 映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン
  2. 映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』トートバッグ
  3. 映画『パトリックとクジラ 6000日の絆』パトリック・ダイクストラ
PAGE TOP