REVIEW
アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスの2度目のタッグが実現した本作は、メディアの情報に翻弄される人々の様子を描いています。物語の舞台は、2020年、コロナ禍でロックダウンされたニューメキシコ州の小さな町、エディントンです。ある日、保安官のジョー(ホアキン・フェニックス)は、現市長のテッド(ペドロ・パスカル)と“マスクをするしない”で揉めます。ただ、この2人には元々因縁があり、ジョーはこれを機にテッドの対抗馬として市長選挙に出ることにします。でも、このジョーの決断が大きな波紋を呼びます。

不気味な人しか出てこないといっても過言ではない点はさすがアリ・アスター作品です(笑)。メインキャラクターは皆一見普通の人でも、どこかがズレているように映ります。その背景には、ある種の偏見や“洗脳”、承認欲求などが見え隠れし、情報社会に毒された世界を目の当たりにします。

現代は、すぐに写真や音声、動画で撮られ、その情報が過去のことでも今のことでも関係なく、“利用価値”が出てくれば、簡単に人を貶めるために利用されます。そして、情報を受け取る側は真偽を追求するより先に、信じたいことだけを信じます。そんな現代社会がいかにカオスかということを本作は極限化して描いています。

ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラー、ルーク・グライムス等、豪華キャストの競演も見ものです。激しい描写はあるものの、アリ・アスター監督作の中では比較的観やすいのではないかと思います。アスター監督作が未体験の方も観てみてはいかがでしょうか。
デート向き映画判定

素敵な夫婦愛だなと思って観ていたら、何だかおかしな方向にストーリーが進んでいくので、デートで観ると微妙な空気になるでしょう(苦笑)。一方で、夫婦の各々の立場を疑似体験できる部分もあります。パートナーと一緒に観るなら、自分達の改善点に気づくきっかけと割り切って、反面教師として観てみるのはアリでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

R指定ではなく、PG-12なので大人と一緒なら12歳未満でも観られることになっています。ただ、アリ・アスター監督作に馴染みのある方はご存じの通り、過激な描写は出てきます。SNS社会の闇深さがどんな事態を招くかを観られる点で、ある種の社会勉強になりそうなものの、もう少し年齢を重ねて、過激な描写に免疫がついてから観るほうが良さそうです。

『エディントンへようこそ』
2025年12月12日より全国公開
PG-12
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2025年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。






























