REVIEW
『佐々木、 イン、 マイマイン』『若き見知らぬ者たち』を手掛けた内山拓也監督が描く本作は、社会の隅っこで生きる親子の物語です。物語は壮絶な家庭内暴力のシーンから始まり、貧困に苦しみながら、今日一日いちにちを何とか生き延びている主人公の姿が映し出されています。

主人公は、声を失った大地です。幼年期を穐本陽月、児童期を加藤庵次、思春期を榎本司、青年期を北村匠海が好演。セリフがないなか、微妙な表情や仕草によって、大地の複雑な心境を表しています。

大地は素直で、優しく、強いからこそ、余計に苦しんでいるようにみえます。そして、大地の母に対する深い愛情がさまざまなシーンに溢れているからこそ、彼が耐える不条理な苦境が際立ちます。

淡々と生々しく、大地の日常が映し出されていて、最初から最後まで観ているだけでとても辛くなります。ただ、クライマックスではほんの少し救いが描かれています。
以下はあくまで私の解釈です。読む方によってはネタバレと感じる内容が含まれるため、観終わってからお読みいただくことを推奨します。

大地は声を失った元凶が父であると思っているようでいて、ラストシーンでは大地の深層心理が表れています。大地の心が深く傷つく原因は、何より母が傷ついている姿だったのではないかと感じます。

傷つける側が100%悪いのは当然として、母自らが堕ちていく姿をみるのは余計に耐えられません。本作はそんな子ども心を生々しく疑似体験できる作品です。
デート向き映画判定

主人公が独りで苦悩する姿を観て没入せずにはいられない作品なので、デートで観るよりも、1人でじっくり観るほうが向いていると思います。辛く重い気持ちになるので、心身ともに元気な時に観るほうが良いでしょう。ただ、家族の物語という点では、お互いの生い立ちを話す機会になる可能性もあるので、2人とも興味があれば一緒に観るのもアリでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

大地は学校に通っている様子がありません。皆さんの学校の中でも、もしかしたら大地と似たような状況にいて困っている人がいるかもしれません。映画鑑賞は、自分が知らない社会の現実を知るきっかけにもなります。親子の物語なので、親子で観て話すと、物事の感じ方や捉え方の違いに気づいたり、家族だからこそ普段は言わずにいることを打ち明ける機会にできるかもしれません。

『しびれ』
2026年9月25日より全国公開
PG-12
NAKACHIKA
公式サイト
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© 2025「しびれ」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2026年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。




























