REVIEW

若き見知らぬ者たち【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『若き見知らぬ者たち』磯村勇斗

REVIEW

これは辛い、本当に辛いです。本作は、難病を患う母親の介護に追われ、自分の幸せに手を伸ばすことができないでいる青年と、彼の弟、恋人、友人達の日常を映し出しています。風間彩人(磯村勇斗)は、難病で介護が必要な母(霧島れいか)と、総合格闘家として上を目指す弟の壮平(福山翔大)と暮らしています。彩人は介護をしながら、父が残した借金返済のために日夜働いていて、恋人の日向(岸井ゆきの)も風間家の生活を支えています。

映画『若き見知らぬ者たち』磯村勇斗/霧島れいか

彩人達が報われて欲しいという気持ちで観ていると、後半に大きな出来事が起こります。その前後で、彼等に何が起こったのかが徐々に明かされていきます。そして、彩人達がたまたま出くわした人物も含めて、一見全く別世界にある人生が、一つのテーマで描かれているように見えてきます。だからこそ、本作で描かれているような状況は誰にでも起こりえると思えてきます。

映画『若き見知らぬ者たち』磯村勇斗

また、複数のキャラクターを観ていて、どこからが罪で、どこまでが罪悪感で、どこからどこまでが責任なんだろうと考えさせられます。そして、それが本人にもわからないからこそ、彼等は暗い場所から抜け出せないし、抜け出そうともしなくなるのではないかと感じます。本作を観ていると、幸せになる難しさを痛感します。

映画『若き見知らぬ者たち』福山翔大

ただ、絶望だけが描かれているわけではありません。彼等には人の苦しみを背負う優しさがあるからこそ、救いや希望が残されているようにも感じます。結末をどう受け止めるのかは観る方それぞれに異なるとはいえ、自分の人生の重み、他者の人生の重みを考えさせられ、他人事に思えて他人事ではない出来事が世の中に多くあることに目を向けるきっかけになります。

デート向き映画判定

映画『若き見知らぬ者たち』磯村勇斗/岸井ゆきの

カップルとしても考えさせられる要素が多いストーリーです。真剣に交際中で将来のことも考えている場合は、かなりリアルなシミュレーションができると思います。気楽な恋愛関係から次のステージに進みたいけれど、家族のことで悩みがある方は多少影響を受ける部分がありそうです。2人で一緒に観て考えるか、一旦1人で観て自分の気持ちを確かめるか、状況によって検討してください。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『若き見知らぬ者たち』豊原功補/霧島れいか

家族の辛い出来事が多く描かれています。今平穏に暮らせていても、それは当たり前なことではないと知るきっかけになるでしょうし、主人公と同じような境遇なら、観るのが辛いかもしれません。いずれにしても、自分の生き方を問う内容なので、何かしら心に刺さるものがあるでしょう。興味を持ったらぜひ観てみて欲しいです。

映画『若き見知らぬ者たち』磯村勇斗

『若き見知らぬ者たち』
2024年10月11日より全国公開
PG-12
クロックワークス
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2024 The Young Strangers Film Partners

TEXT by Myson


関連作

「若き見知らぬ者たち」島口大樹 著/講談社文庫
Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ 映画好きが選んだ2025洋画ベスト

正式部員の皆さんに投票していただいた2025年洋画ベストの結果を発表!2025年の洋画ベストに輝いたのは!?

映画『災 劇場版』中島セナ 中島セナ【ギャラリー/出演作一覧】

2006年2月17日生まれ。東京都出身。

映画『超時空英雄伝エイリアノイド PART1』リュ・ジュンヨル/キム・ウビン/キム・テリ 超時空英雄伝エイリアノイド PART1【レビュー】

『10人の泥棒たち』『暗殺』のチェ・ドンフンが監督を務め、『パラサイト 半地下の家族』のCJ ENMが手掛ける本作は…

映画『クライム 101』クリス・ヘムズワース/マーク・ラファロ/バリー・コーガン/ハル・ベリー クライム 101【レビュー】

犯罪小説の巨匠、ドン・ウインズロウが書いた原作小説は、収録された短編集「クライム101」(「壊れた世界の者たちよ」から改題)が2020年10月に出版されると、映画化権を巡って…

映画『スペルマゲドン 精なる大冒険』 スペルマゲドン 精なる大冒険【レビュー】

思春期の少年のカラダの中で、“スペルマゲドン”の瞬間を待つ精子達の姿を描くという奇想天外なストーリーながら、大作系アニメーションの…

映画『レンタル・ファミリー』ブレンダン・フレイザー/ゴーマン シャノン 眞陽 レンタル・ファミリー【レビュー】

REVIEW『ザ・ホエール』で米アカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーが主…

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』ジョシュ・ハッチャーソン ジョシュ・ハッチャーソン【ギャラリー/出演作一覧】

1992年10月12日生まれ。アメリカ出身。

映画『ブゴニア』エマ・ストーン ブゴニア【レビュー】

それぞれに強烈な世界観を持つ作品を作り出してきたヨルゴス・ランティモスとアリ・アスターがタッグを組んだ本作は…

映画『たしかにあった幻』ヴィッキー・クリープス たしかにあった幻【レビュー】

フランス、パリから神戸にやってきたコリー(ヴィッキー・クリープス)を主人公とした本作では、コリーの目線を通して日本人の死生観が…

映画『禍禍女』南沙良 禍禍女【レビュー】

南沙良、前田旺志郎、アオイヤマダ、髙石あかり、鈴木福といった若手実力派が名を連ね、ゆりやんレトリィバァが初監督を務めた本作は、監督自身が経験した実際の恋愛を基に作られた…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ 映画好きが選んだ2025洋画ベスト

正式部員の皆さんに投票していただいた2025年洋画ベストの結果を発表!2025年の洋画ベストに輝いたのは!?

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集

REVIEW

  1. 映画『超時空英雄伝エイリアノイド PART1』リュ・ジュンヨル/キム・ウビン/キム・テリ
  2. 映画『クライム 101』クリス・ヘムズワース/マーク・ラファロ/バリー・コーガン/ハル・ベリー
  3. 映画『スペルマゲドン 精なる大冒険』
  4. 映画『レンタル・ファミリー』ブレンダン・フレイザー/ゴーマン シャノン 眞陽
  5. 映画『ブゴニア』エマ・ストーン

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP