REVIEW

1917 命をかけた伝令

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『1917 命をかけた伝令』ジョージ・マッケイ

ワンカットに見えるように撮影されていて、まるで主人公の目線でその場にいる時間を共有しているような臨場感があります。本作は、第92回アカデミー賞3部門で受賞しましたが、授賞式前のレッドカーペットでのインタビュー(テレビ中継)でサム・メンデス監督は、1番長いショットでは8分、その次に5、6分と長いショットがあったと話していました。一つのショットがそれほど長いのもとても大変だと思いますが、それぞれをワンカットに見えるように繋げるというのはとても難しそうですよね。撮影の方法もですが、役者の演技も精密に正確にする必要があり、そのスキルの高さに驚かされます。こうして臨場感が完璧だからこそ、観る側はそこに描かれたドラマに没入できて、説明不要で戦争がもたらすものを感じ取ることができます。そして本作は、戦いにフォーカスしているのではなく、仲間を救うために命をかけて伝令に行く若者の姿を描いている点で、世代を問わず身近に感じられる作品となっています。また、伝令を任される兵士を演じたジョージ・マッケイとディーン=チャールズ・チャップマンの演技はもちろん、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロング、リチャード・マッデン、アンドリュー・スコットなど、脇を固める豪華俳優陣の演技も見ものです。

デート向き映画判定
映画『1917 命をかけた伝令』ジョージ・マッケイ/ディーン=チャールズ・チャップマン

デートが盛り上がるようなロマンチックな内容ではありませんが、人間ドラマとして没入できる内容です。大事な仲間を救うために命をかけて伝令を届けようとする主人公の姿から、誠実さがすごく伝わってくるので、気持ちが引き締まります。本作で描かれる関係は恋愛関係ではありませんが、人と人とが向き合うという部分では、カップルの関係、ムードにも良い刺激をもたらしてくれるかも知れません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『1917 命をかけた伝令』ジョージ・マッケイ

戦争映画と聞くと、キッズやティーンの皆さんには難しそうに思えるかも知れませんが、本作は2人の若い兵士が、仲間を救うために大事な伝令を届ける任務を遂行する様子が描いていて、皆さんも同じ目線で観られる内容になっています。臨場感がすごくて、ワンカットに見えるように撮られているので、時間の進行も主人公達と同じように観られます。まるでその場にいるような感覚を味わえて、戦争とは何かを感覚として想像できると思います。とにかく観て何か少しでも感じ取ってもらえればと思います。

映画『1917 命をかけた伝令』

『1917 命をかけた伝令』
2020年2月14日より全国公開
東宝東和
公式サイト

TEXT by Myson

© 2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ヨナス・ダスラー ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師【レビュー】

第二次世界大戦下のドイツに実在した牧師、ディートリヒ・ボンヘッファーは、ナチスに支配された教会やユダヤ人達を救おうと奮闘…

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』SUMIRE 佐藤菫【ギャラリー/出演作一覧】

1995年7月4日生まれ。東京都出身。

映画『プレデター:バッドランド』エル・ファニング プレデター:バッドランド【レビュー】

おもしろい!いろいろユニーク!“プレデター”シリーズは…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  2. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  3. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  4. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  5. 映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ヨナス・ダスラー

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP