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アイスクリームフィーバー【レビュー】

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映画『アイスクリームフィーバー』吉岡里帆/モトーラ世理奈

本作は、川上未映子の短編集「愛の夢とか」の一編 “アイスクリーム熱”を原案とし、アートディレクターとして活躍する千原徹也が初監督を務めた作品です。アイスクリーム店で働く菜摘(吉岡里帆)は、ある日お店にやって来た作家の佐保(モトーラ世理奈)に運命的な何かを感じ、彼女のことが頭から離れなくなります。一方、アイスクリーム店の近所に住む優(松本まりか)のもとには、疎遠になっていた姉の娘が現れ、あるきっかけから共同生活を始めることになります。本作では、そんな女性達の日々の変化や心の模様が、アイスクリーム店を中心に繊細に描かれています。
1本の映画の中で、各キャラクターの物語が同時進行し、交わる部分もあればそうでない部分もあり、それが人間ドラマのリアリティを強調しているように感じます。個人的には優のエピソードがお気に入りで、彼女が姪と暮らすなかで、過去と向き合う姿にはとても共感できますし、自分の過去を振り返るきっかけにもなります。
吉岡里帆、モトーラ世理奈、松本まりか、詩羽(水曜日のカンパネラ)らが演じる女性達は、皆何かに悩みながらもたくましく生きていて、観ていてとてもすがすがしさを感じます。また、物語の中心にあるおしゃれなアイスクリーム店は誰もが行きたくなるのではないでしょうか。アイスクリーム自体もカラフルで美味しそうですし、スタッフのユニフォームや内装なども本作の世界観にマッチしています。女性が主人公の物語ではあるものの、男女問わずどんな人でも自分の日常とリンクする部分が見つかると思います。おしゃれな雰囲気の漂う作品なのでアート的な視点で観ても楽しめます。

デート向き映画判定
映画『アイスクリームフィーバー』吉岡里帆

特別気まずくなる場面はないので、デートで観ても問題ありません。アイスクリーム店で働く菜摘が佐保に惹かれていく姿は、ドキドキ感が伝わってくるので、付き合いたてのカップルや片想いをしている方が観ると、特に共感できそうです。また、本作には美味しそうなアイスクリームがたくさん登場するので、鑑賞後は一緒にアイスクリームを食べに行くのもオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『アイスクリームフィーバー』松本まりか/南琴奈

可愛いアイスクリーム店や、シンプルだけどおしゃれなファッションは、皆さんの感性を刺激してくれると思います。ただ、大人の女性達の悩みや葛藤、人間関係については、まだピンと来ない点があるかもしれません。一度観てよくわからなかったとしても、大人になってからもう一度観ると違う発見があると思います。

映画『アイスクリームフィーバー』吉岡里帆/モトーラ世理奈/詩羽(水曜日のカンパネラ)/松本まりか

『アイスクリームフィーバー』
2023年7月14日より全国公開
パルコ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

TEXT by Shamy

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