REVIEW
ケン・ローチ監督作はやっぱり見応えがありますね。映画公式サイトによると、ローチ監督は本作が最後の作品と語っているそうで、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く「イギリス北東部3部作」の最終章に位置付けられています。

物語は、イギリス北東部にある炭鉱の町に、シリア難民が移住してくるところから始まります。町の人の中には、あからさまに嫌悪感を示す者もいるなか、町の人達が集うパブ“オールド・オーク”の店主であるTJ・バランタイン(デイヴ・ターナー)は、分け隔てなくシリアから来た人達とも交流します。そんななか、もともと経営難だったTJのパブに存続の危機が訪れます。

鬱々とした空気感が漂う日常や、そんな日常が生む人間同士の軋轢が生々しく描かれ、キュンと胸が締めつけられます。善良な人達が苦しむからこそ、余計にやるせない気持ちになります。一方で、人の温かさと強さにも心を揺さぶられます。クライマックスで描かれるシーンには、目頭が熱くなります。このラストシーンからは、ローチ監督が込めたであろう希望が伝わってきます。

本作では、現代社会で起きている社会問題が複数映し出されています。日本も無縁ではないため、自分事として考えさせられます。
デート向き映画判定

日常が一見淡々と描かれていて、見た目の派手さよりも、キャラクターの心情が丁寧に描かれている点が魅力的な作品です。なので、普段エンタテインメント性が高い超大作しか観ていない方を誘うと、反応が読めません。ただし、社会問題に関心が高い方なら、鑑賞後の会話も弾みそうですし、相手の価値観も垣間見ることができそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

決して裕福とはいえない人達が多く住む町で、地元の子ども達やシリアから来た子ども達の生活も映し出しています。相手が外国人というだけでいじめたり、外国人と仲良くしているというだけで敵視する側の人達の盲目性について語るTJのセリフは、核心をついていて特に印象に残ります。また、善良に生きているにもかかわらず辛い目に遭う側の本心が吐露される場面には、考えさせられる点が多くあります。この町の秩序がギリギリ保たれている意味を考えながら、自分達が生きている社会に照らし合わて観ると一層有意義な鑑賞とでしょう。

『オールド・オーク』
2026年4月24日より全国公開
ファインフィルムズ
公式サイト
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© Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023
TEXT by Myson
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情報は2026年4月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。



























