REVIEW

オールド・オーク【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ

REVIEW

ケン・ローチ監督作はやっぱり見応えがありますね。映画公式サイトによると、ローチ監督は本作が最後の作品と語っているそうで、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く「イギリス北東部3部作」の最終章に位置付けられています。

映画『オールド・オーク』エブラ・マリ

物語は、イギリス北東部にある炭鉱の町に、シリア難民が移住してくるところから始まります。町の人の中には、あからさまに嫌悪感を示す者もいるなか、町の人達が集うパブ“オールド・オーク”の店主であるTJ・バランタイン(デイヴ・ターナー)は、分け隔てなくシリアから来た人達とも交流します。そんななか、もともと経営難だったTJのパブに存続の危機が訪れます。

映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ

鬱々とした空気感が漂う日常や、そんな日常が生む人間同士の軋轢が生々しく描かれ、キュンと胸が締めつけられます。善良な人達が苦しむからこそ、余計にやるせない気持ちになります。一方で、人の温かさと強さにも心を揺さぶられます。クライマックスで描かれるシーンには、目頭が熱くなります。このラストシーンからは、ローチ監督が込めたであろう希望が伝わってきます。

映画『オールド・オーク』トレヴァー・フォックス

本作では、現代社会で起きている社会問題が複数映し出されています。日本も無縁ではないため、自分事として考えさせられます。

デート向き映画判定

映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ

日常が一見淡々と描かれていて、見た目の派手さよりも、キャラクターの心情が丁寧に描かれている点が魅力的な作品です。なので、普段エンタテインメント性が高い超大作しか観ていない方を誘うと、反応が読めません。ただし、社会問題に関心が高い方なら、鑑賞後の会話も弾みそうですし、相手の価値観も垣間見ることができそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『オールド・オーク』エブラ・マリ

決して裕福とはいえない人達が多く住む町で、地元の子ども達やシリアから来た子ども達の生活も映し出しています。相手が外国人というだけでいじめたり、外国人と仲良くしているというだけで敵視する側の人達の盲目性について語るTJのセリフは、核心をついていて特に印象に残ります。また、善良に生きているにもかかわらず辛い目に遭う側の本心が吐露される場面には、考えさせられる点が多くあります。この町の秩序がギリギリ保たれている意味を考えながら、自分達が生きている社会に照らし合わて観ると一層有意義な鑑賞とでしょう。

映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ

『オールド・オーク』
2026年4月24日より全国公開
ファインフィルムズ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2026年4月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『Michael/マイケル』来日ジャパンプレミア:ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディ、グレアム・キング(プロデューサー)/香取慎吾、ちゃんみな(スペシャルゲスト) “2人”のマイケル・ジャクソン=ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディと、長男プリンス・ジャクソン等が揃って来日『Michael/マイケル』来日ジャパンプレミア

伝説のスーパースター、マイケル・ジャクソンの半生を描いた映画『Michael/マイケル』の日本公開が目前に迫る2026年6月4日、本作のキャスト、スタッフが一斉に来日しました。

映画『the moment/ザ・モーメント』チャーリーxcx the moment/ザ・モーメント【レビュー】

本作は、2024年、アルバム“brat(ブラット)”が人気を呼び、“ブラット・サマー”と呼ばれる社会現象を巻き起こした、ポップスターのチャーリーxcxが本人役で登場し、ショービジネスの裏側を…

映画『ゆずり葉の頃』八千草薫 八千草薫【ギャラリー/出演作一覧】

1931年1月6日生まれ。大阪府出身。

映画『マスターズ・オブ・ユニバース』ニコラス・ガリツィン/カミラ・メンデス/イドリス・エルバ マスターズ・オブ・ユニバース【レビュー】

いろいろな意味で新鮮!でも、実はメインキャラクターであるヒーマン(He-Man)のルーツは、「バービー…

映画『ひつじ探偵団』エマ・トンプソン エマ・トンプソン【ギャラリー/出演作一覧】

1959年4月15日生まれ。イギリス出身。

映画『アダムの原罪』レア・ドリュッケール/アナマリア・ヴァルトロメイ アダムの原罪【レビュー】

『Playground/校庭』で、子ども達が日々直面している“現実”を生々しく描いたローラ・ワンデル監督(脚本も担当)の長編2作目…

ドラマ『スピナーベイト』制作発表記者会見、加藤清史郎、駿河太郎、萩原護、奥野壮、高橋侃、桃児、吉澤要人、吉村界人 青春が足りてない(笑)!?加藤清史郎、駿河太郎、吉村界人等が登壇、和気あいあい『スピナーベイト』制作発表記者会見

映画、ドラマ、舞台で実写化され大ヒットを記録した漫画「セトウツミ」や、国内外で話題を呼んだアニメ「オッドタク シー」(2021年TX)のオリジナル脚本を手掛け、近年では、「シナントロープ」や「ホウセンカ」の原作・脚本、週刊ヤングジャンプにて連載中の漫画「カミキルKAMI KILL-」(原作)などでも知られる此元和津也の原作漫画がドラマ化されました。今回は、このドラマに出演するキャストが勢揃いし、制作発表記者会見を開きました。

映画『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年5月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年5月】のアクセスランキングを発表!

映画『アン・リー/はじまりの物語』アマンダ・セイフライド アン・リー/はじまりの物語【レビュー】

アマンダ・セイフライドを主演に迎え、『ブルータリスト』のスタッフが贈る本作は、シェーカー教団の創始者アン・リーの実話を基にして…

映画『モータルコンバット/ネクストラウンド』カール・アーバン モータルコンバット/ネクストラウンド【レビュー】

エド・ブーンとジョン・トビアスが手掛けた同名ビデオゲームを原作とする本作では…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

【映画でSEL】イメージイラストドアの奥に草原 セルフ・モニタリングとモデリングの機会となる映画鑑賞(論文紹介)&映画でSELラボOPEN!

株式会社TSトーキョーは、映画でSELラボをオープンしました!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以
  2. 【映画学ゼミ第8回】「感情は有用か、有害か、映画の場合で考える」参加者募集!
  3. 【映画でSEL】イメージイラストドアの奥に草原

REVIEW

  1. 映画『the moment/ザ・モーメント』チャーリーxcx
  2. 映画『マスターズ・オブ・ユニバース』ニコラス・ガリツィン/カミラ・メンデス/イドリス・エルバ
  3. 映画『アダムの原罪』レア・ドリュッケール/アナマリア・ヴァルトロメイ
  4. 映画『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』
  5. 映画『アン・リー/はじまりの物語』アマンダ・セイフライド

PRESENT

  1. 映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン
  2. Prime Original ドラマシリーズ 『クロエマ』杉咲花/多部未華子
  3. 映画『口に関するアンケート』板垣李光人/綱啓永/吉川愛/MOMONA(ME:I)/ 森愁斗(BUDDiiS) /西山智樹(TAGRIGHT)
PAGE TOP