REVIEW

X エックス【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『X エックス』ミア・ゴス

これはホラーとして怖いかどうか以前に、老いることへの恐怖、裏返すと若さへの執着からくる人間の狂気がいかに恐ろしいかを描いています。そして、若さがもたらす武器、老いが突きつける現実を表現するために性的魅力や性欲を題材としている点で、とてもセンセーショナルな内容となっています。だから、このストーリーでは性的描写が欠かせないものとなっていますが、ミア・ゴス、ブリタニー・スノウ、スコット・メスカディなど俳優陣はかなりセクシャルなシーンに挑んでいます。
若者vs.老人という一見わかりやすい構図で描かれている本作は、今若いからといって若者目線で観られるのかといったら、そうでもないところもミソです。誰もがいつか老いるということはわかっているので、誰が観ても複雑な心境を抱くでしょう。そして、ネタバレになるので詳細は控えますが、本作にはある大きな仕掛けが施されています。このレビューを書いている2022年6月30日の時点で、公式サイトではまだ明かされていませんが、どこかで真相が発表されるのではと思います。その仕掛けを知ると、改めてもう一度本作を観たくなるはずです。とにかく、思いっきり気持ち悪がって観るだけでも楽しいですし、老いとは何かをしみじみ考えながら観るのもアリですよ。

デート向き映画判定
映画『X エックス』

性的描写がふんだんにあり、かなり生々しいので、初デートや交際ホヤホヤカップルのデートではちょっと気まずいのではないでしょうか。さらに、後半は思わず目を閉じてしまうような惨殺なシーンも出てくるので、ホラーに慣れていない方を誘うのはやめておいてあげましょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『X エックス』ミア・ゴス/ブリタニー・スノウ/スコット・メスカディ(キッド・カディ)/オーウェン・キャンベル

R-15なので高校生以上は観られるとはいえ、いろいろな意味で怖いので少々覚悟して観てください。ホラーとしての怖さはもちろん、若さゆえの暴走も怖いと思える部分があります。好奇心旺盛とはいえ、自分を大事にしようという意味で反面教師として観るのもアリですよ。

映画『X エックス』

『X エックス』
2022年7月8日より全国公開
R-15+
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト

©2022 Over The Hill Pictures LLC All Rights Reserved.

ブルーレイ&DVDレンタル・発売中/デジタル配信中
Amazon Prime Videoで観る U-NEXTで観る Huluで観る

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ【レビュー】

REVIEWシリーズ3作目となる本作でも、まず映像美と迫力に圧倒されます。物理的に目の前で…

映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗 新解釈・幕末伝【レビュー】

幕末を描いた本作は、“新解釈”とタイトルにあるように、ユニークな解釈で描かれて…

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』来日ジャパンプレミア、ジェームズ・キャメロン監督、山崎貴監督、宮世琉弥 お互いの才能を讃え合うジェームズ・キャメロン監督と山崎貴監督、若者代表、宮世琉弥も感動『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』来日ジャパンプレミア

最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』のワールドツアーの一環として、ジェームズ・キャメロン監督が3年ぶりに来日。山崎貴監督と宮世琉弥も会場に駆けつけました。

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』八木莉可子 八木莉可子【ギャラリー/出演作一覧】

2001年7月7日生まれ。滋賀県出身。

映画『グッドワン』リリー・コリアス 『グッドワン』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『グッドワン』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行【レビュー】

「人生をやり直せるドア」が登場する点と、コリン・ファレルとマーゴット・ロビーが向かい合うキービジュアルから、恋愛をやり直すストーリーかと思いきや…

映画『サリー』エスター・リウ 『サリー』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『サリー』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『THE END(ジ・エンド)』ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン THE END(ジ・エンド)【レビュー】

REVIEWいつも通り観賞前にほぼ何も情報を入れず、登場人物はいつの時代にどこに住んでいる…

映画『シェルビー・オークス』 シェルビー・オークス【レビュー】

かつて繁栄しながらも今は廃墟と化しているシェルビー・オークスという町で…

映画『ナイトフラワー』渋谷龍太 渋谷龍太【ギャラリー/出演作一覧】

1987年5月27日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン
  2. 映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗
  3. 映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー
  4. 映画『THE END(ジ・エンド)』ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン
  5. 映画『シェルビー・オークス』

PRESENT

  1. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  2. 映画『サリー』エスター・リウ
  3. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
PAGE TOP