シーズン1

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で、四次元キューブを手に入れたロキのその後を描いた本作は、“時間”をテーマにしています。そして、本作は宇宙を舞台にしていて、ロキはあらゆる時空を飛び回ります。時間がテーマと聞くと小難しいと思う方もいるかもしれませんが、本作に関してはそれほどややこしい部分はないのでご安心を。ロキのいたずら好きな一面も健在で、遊び心溢れるシーンもちょいちょい出てきます。また、ロキの運命を変える重要なキャラクターをオーウェン・ウィルソンが演じているのも、映画ファンには嬉しいところです。

ただ、本作には「???」となる設定が隠されており、その真相は途中で明かされますが、それをすんなり受け入れてストーリーを追える方、その設定に慣れるまで時間を要する方は出てくるかもしれません。でも、その設定や時間をテーマにしていることによって、ロキというキャラクターの多面性が引き出され、どんどん深掘りされていくおもしろさがあるんです。そのなかで語られるセリフには哲学的な要素が多くあり、ロキの中にあるものは私達の中にもあると感じられて共感できます。ロキの素の部分を知った上で彼が変化し成長する姿を通して、自分自身の生き方を見直すきっかけももらえると思います。
スケールも大きく、展開もすごく早くて、シーズン1でそこまで決着がつくのかというところまできます。シーズン1だけでも見応えがありますが、全話観終えるとこれは序章に過ぎなかったのかとわかり、その先の展開にも期待が膨らみます。シーズン2の制作も決定したとのことで続きも楽しみですね。

『ロキ シーズン1』
2021年6月9日よりディズニープラスにて配信中
公式サイト
© 2021 Marvel
TEXT by Myson
