REVIEW

フリー・ガイ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『フリー・ガイ』ライアン・レイノルズ

本作の主人公はゲームの世界のモブ(背景)キャラですが、これは私達自身のストーリーと言えます。ショーン・レヴィ監督とライアン・レイノルズがタッグを組んだ作品ということで、コメディを楽しむスタンスで観る方が多いと思いますが、想像以上に「ええ話や」と思える内容になっています。
物語の舞台は、フリー・シティというオンライン・ゲームの世界。そこにルールはなく、犯罪行為は日常茶飯事です。そんな世界で生きる主人公ガイに人生を変えたいという思いが芽生え、彼は行動を起こします。モブキャラであるはずのガイの変化に、ゲームの内外がざわつき、現実世界にも思わぬ変化をもたらすというストーリーです。最初は同じ毎日を過ごしていることに何も疑問を抱かないガイが、このままではいけないと目覚める姿を見ると、私達も忙しい日々に流され、モブキャラのように自分が主人公ではないストーリーの中で過ごしているだけなのかもと気付かされます。
そして、おもしろいのはゲームの世界と現実世界のストーリーが呼応しあっているところ。この物語の背景には、人生を奪われた若者2人を救う鍵があり、それぞれのキャラクターがゲームの世界と現実世界で人生を取り戻そうとしている点で共感できます。そんな人間ドラマが根底にありながら、ゲームの世界の中では何でもアリな分、描写もやりたい放題で遊び心が満載です。ライアン・レイノルズのコメディアンぶりはもちろん、不意に出てくるチャニング・テイタムのキャラクターも美味しさいっぱいですよ。さらに世界的な大人気シリーズの要素もアクセントで入っていて、映画ファンにはたまらない演出が魅力です。観ると心が明るくなり、前向きになれるので、気分転換にピッタリです。

デート向き映画判定
映画『フリー・ガイ』ライアン・レイノルズ

さりげなくラブストーリーの要素が入っていると思ったら、クライマックスではかなりロマンチックな展開が待っています。気兼ねなく楽しく観られる作品でありながら、ジワジワとロマンチックなムードを漂わせるので、初デートや交際ホヤホヤのカップル、友達以上恋人未満のデートにちょうど良いと思います。特に友達以上恋人未満の2人は、良い刺激を受けられると思うので、ぜひ本作に便乗して急接近してください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『フリー・ガイ』ジョー・キーリー/タイカ・ワイティティ

皆さんが大好きなゲームの世界を舞台にしていて、すんなり物語の世界に没入できると思います。見た目にわかりやすく笑えるシーンも豊富で楽しく観られます。本作で登場する“フリー・シティ”というゲームではプレイヤーがあらゆる武器を使って暴れていますが、露骨な暴力描写はないので安心して観てください。「自分が主人公の人生を生きる」ということを改めて考えさせられる要素もあるので、新しく何か始めてみよう、諦めていたことに再チャレンジしようという勇気をもらえると思います。

映画『フリー・ガイ』ライアン・レイノルズ

『フリー・ガイ』
2021年8月13日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ
  2. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  3. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  4. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  5. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP