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ハード・トゥルース 母の日に願うこと【レビュー】

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映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン

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現代のロンドンを繰り広げられる本作は、対照的な性格を持つ姉妹のそれぞれの日常を描いています。監督は、「英国を代表する巨匠のひとりであり、60年におよぶキャリアにおいて、これまで7回、アカデミー賞候補となり、3つの英国アカデミー賞(BAFTA)も獲得。カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと3大国際映画祭での受賞歴もある」マイク・リーが務めています(映画公式資料)。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト

姉パンジー(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)は、配管工の夫カートリー(デヴィッド・ウェバー)や、20代になっても働かずに家でゴロゴロしている息子のモーゼス(トゥウェイン・バレット)にいつも腹を立てています。一方、パンジーの妹シャンテル(ミシェル・オースティン)は、2人の娘と暮らし、美容師の仕事でもお客との会話に興じる生活をしています。シャンテルはある日パンジーを母の墓参りと、家族同士の食事に誘います。パンジーは長らく返事を引き延ばしたものの渋々シャンテルの誘いに応じます。そんななか、パンジーの感情が溢れてきます。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト

パンジーは終始イライラしていて、家族はもちろん外出時でも誰彼かまわず当たり散らします。その様子から相当な心労が伝わってきます。誰が悪いなどという話ではなく、悪循環が起きていて膠着状態になり、本人達もどうにかしなければと思っていたとしても、家族同士だからこそ頑固になってしまうもどかしさがあります。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン

家族がどんなあなたでも愛しているという姿勢を見せる一方で、もう修復が難しいのかなと思える関係もあって、最後のシーンを終わりと見るのか、新たな始まりと見るのか、解釈は観る方それぞれに違うかもしれません。家の外の社会での関係が希薄になりつつある現代で、改めて家族の存在意義に気づかせてくれるストーリーです。

デート向き映画判定

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/デヴィッド・ウェバー/トゥウェイン・バレット

夫婦同士の関係、子どもに対する親としての夫婦の関係が描かれているので、夫婦で一緒に観るとピリッとした空気になりそうです。向き合うべき問題から目を逸らしてしまうとこうなるかもしれないというシミュレーションの機会になるので、最近重要な会話から逃げている気がする方はパートナーを誘ってみてはどうでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト

子ども目線でで観ると、パンジーやシャンテル、カートリーはどう見えるのか気になるところです。淡々と日常を描いているなかで、それぞれのキャラクターの心の中を想像させるストーリーなので、大人になってから観るほうが感情移入しやすいと思う一方で、子ども目線で親の姿を観て湧いてくる感情もあると思います。興味を持ったら観てみてください。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン

『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
2025年10月24日より全国公開
スターキャット、アルバトロス・フィルム
公式サイト

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© Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.

TEXT by Myson

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