REVIEW

マルドロール/腐敗【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン

REVIEW

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基にしています。ただ、ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督は本編の冒頭で「ポール・シャルティエの物語は実話を元にしているが自由に描いた」と示しています。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン

本作では、憲兵隊、自治体警察、司法警察という3つの警察組織の統合が望まれるなか、お互いが敵対し連携がとれないことで事件の捜査が進まない状況が映し出されています。正義感が強いポール・シャルティエ(アントニー・バジョン)は憲兵隊に属しており、児童失踪事件の解決を強く望んでいます。そんななか、ある男から憲兵隊に情報提供があったものの、上司は捜査に消極的で、他の警察組織からの協力も得られず、ポールだけは捜査にめり込んでいきます。

映画『マルドロール/腐敗』

タイトルにある“マルドロール”は、児童失踪事件に関わっている可能性がある小児性愛者を監視する秘密部隊の名前です。ポールはこの秘密部隊に所属しますが、許されているのは監視のみで、疑わしい人物に対して積極的に捜査することは許されていません。ストーリーが展開するにつれ、その背景が徐々に明かされていきます。

映画『マルドロール/腐敗』

児童を連れ去り小児性愛者相手に売春させるという事件そのものの恐ろしさとともに、警察組織が全く機能していない点にも怖さを感じます。それどころか、事件解明のために奔走するポールがどんどん窮地に追いやられてしまう理不尽な状況が、観る者の恐怖心を一層煽ります。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン

脇を固めるベアトリス・ダル、セルジ・ロペス、アレクシス・マネンティなど実力派俳優の共演も見ものです。腐敗した組織に潰された男が行き着く先でどういう心理になるのかを観て、ぜひご自身の反応も確かめてみてください。

デート向き映画判定

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン/アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ

本作のストーリーは、ポールが幸せな結婚をして幸せな日々を送ろうとする時期から始まります。だから、ポールが事件に翻弄されるにつれて変化していく新婚夫婦の様子から、ポールの生活が根本から壊れていくのがわかるでしょう。ポールが悪いわけではないにしても、こういう状況になった時に夫婦関係を続けていけるかを自分事として考えずにはいられない内容なので、デートで観ると微妙な空気になるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『マルドロール/腐敗』

直接的には映らないものの、刺激の強い描写があり、小児性愛者の犯罪を描いているので、心理的な怖さがあります。警察=正義ではないことを知る上では有効だとして、内容から考えて、せめて中学生以上になってから観るほうが良さそうです。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン

『マルドロール/腐敗』
2025年11月28日より全国順次公開
アンプラグド
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©FRAKAS PRODUCTIONS – THE JOKERS FILMS – ONE EYED – RTBF – FRANCE 2 – 2024

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『BOSS/ボス』チョ・ウジン/チョン・ギョンホ/パク・ジファン BOSS/ボス【レビュー】

ボスの座を争う話は数あれど、本作はどうしたらボスにならずに済むかというストーリーで…

映画『進行曲 マーチングボーイズ』ムー・セン(牧森) 進行曲 マーチングボーイズ【レビュー】

台湾屈指の進学校でマーチングバンド部に所属する男子高校生を主人公とした本作は、実話に基づいています…

映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』リズワーン・シェイク 『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』特別試写会 10名様ご招待

映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』特別試写会 10名様ご招待

映画『うるわしの宵の月』道枝駿佑/安斉星来 うるわしの宵の月【レビュー】

なんとも初々しく、キュンキュンさせられて、観ているだけで20歳くらい若返りました(笑)…

映画『ナギダイアリー』石橋静河 石橋静河【ギャラリー/出演作一覧】

1994年7月8日生まれ。東京都出身。

映画『真実と反逆 〜ナチスと闘った若きレジスタンス〜』ユアン・ホロックス 『真実と反逆 〜ナチスと闘った若きレジスタンス〜』【レビュー】

本作は、ナチス政権に言論の力で対抗した少年ヘルムス・ヒューベナーの実話を基にしています…

映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』ノア・センティネオ/アンドリュー・小路 ストリートファイター/ザ・ムービー【レビュー】

原作のゲームに詳しくないとしても一度でもゲームをやったことがある方なら、本作を観れば懐かしさを感じられるでしょう…

映画『シャイロックの子供たち』木南晴夏 木南晴夏【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月9日生まれ。大阪府出身。

映画『クジラに落ちた男』オースティン・エイブラムス クジラに落ちた男【レビュー】

クジラに落ちた男』というタイトルが示す通り、内容はイメージしやすい一方で、クジラの中に閉じ込められている状況でどんなストーリーが展開するのかは想像を超えています…

映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』トム・クルーズ/ブラッド・ピット あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』

世界的な超トップスター、トム・クルーズとブラッド・ピットが共演した奇跡の作品『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のパッケージリリースを機に、当部恒例企画「勝手にキャスティング企画!」を実施。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』トム・クルーズ/ブラッド・ピット あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』

世界的な超トップスター、トム・クルーズとブラッド・ピットが共演した奇跡の作品『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のパッケージリリースを機に、当部恒例企画「勝手にキャスティング企画!」を実施。

【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!

Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『BOSS/ボス』チョ・ウジン/チョン・ギョンホ/パク・ジファン
  2. 映画『進行曲 マーチングボーイズ』ムー・セン(牧森)
  3. 映画『うるわしの宵の月』道枝駿佑/安斉星来
  4. 映画『真実と反逆 〜ナチスと闘った若きレジスタンス〜』ユアン・ホロックス
  5. 映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』ノア・センティネオ/アンドリュー・小路

PRESENT

  1. 映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』リズワーン・シェイク
  2. 映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』アルバ・ロルヴァケル/エリオ・ジェルマーノ
  3. 映画『君の話』北村匠海/出口夏希
PAGE TOP