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ひゃくえむ。【レビュー】

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映画『ひゃくえむ。』

REVIEW

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も自分の好みに合うと期待して観たところ、期待通りにビビッとくるストーリーでした。100m走をこんな風に哲学的に語るとはさすがです。

青年になったトガシは松坂桃李、小宮は染谷将太が声を担当し、笠間淳、高橋李依、田中有紀、種﨑敦美、悠木碧、内田雄馬、内山昂輝、津田健次郎が脇を固めます。松坂桃李と染谷将太の声は俳優本人を想起させるものの、もともとの彼等のイメージがキャラクターに合っているので、功を奏していると感じます。

映画『ひゃくえむ。』
映画『ひゃくえむ。』

主人公は生まれつき足が速いトガシと、トガシの学校に転校してきた小宮です。小学生の2人にとって100m走にどんな深い意味がもたらされるのか予想できずにいるなか、トガシが持論を展開すると、小宮の心の中で何かが動き出します。そうして、トガシと小宮は放課後に一緒に速く走る練習をするようになり、やがて成長した2人の物語に繋がっていきます。

さまざまなキャラクターが登場し、100mをいかに速く走るかと追求するなかで、走るフォームなどの方法論よりも、精神論が語られていきます。トガシや小宮のセリフにも噛めば噛むほど味が出るセリフが含まれると同時に、王者として君臨する財津や、財津の背中を追う海棠の言葉が特に印象に残りました。財津が学校で演説するシーンは返す言葉があまりにカッコ良過ぎて、笑ってしまいました。皆さんもきっとたくさんの金言に出会えるはずです。

デート向き映画判定

映画『ひゃくえむ。』

何かに一生懸命になっている人にも、まだ夢中になれるものが見つかっていない人にも刺さるストーリーなので、2人でモチベーションを上げたいなと思ったら一緒に観るのもアリでしょう。人生観を問う内容なので、感想を述べ合うと、根本的な相性を確かめる機会にもなるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ひゃくえむ。』

何かの才能に恵まれた場合でも、努力で才能が開花した場合でも、我武者羅になれる時期もあれば、目的を見失う時期もあると思います。本作は誰もが進んでいく道を描いていて、誰もがいつかは必ずぶつかる人生への疑問に対して1つの答えをくれます。ぜひ、今のうちに一度観て、大人になっても何度も観返して欲しいです。

映画『ひゃくえむ。』

『ひゃくえむ。』
2025年9月19日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト

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©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

TEXT by Myson


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「ひゃくえむ。」魚豊 著/講談社
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