REVIEW

パワー・オブ・ザ・ドッグ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ベネディクト・カンバーバッチ

ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト、ジェシー・プレモンス出演、『ピアノ・レッスン』ジェーン・カンピオンが監督を務めるということで映画ファンなら気になる1作ですよね。出演者には、若手実力派トーマシン・マッケンジーや、『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイク作『モールス』で主役を務めたコディ・スミット=マクフィーも名を連ねています。
主なキャラクターは、兄弟で牧場主を務めるフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)とジョージ(ジェシー・プレモンス)、そしてシングルマザーのローズ(キルスティン・ダンスト)とその息子ピーター(コディ・スミット=マクフィー)の4人です。この4人の関係がどう始まりどう変わっていくのかが物語の軸となっています。フィルはとても高圧的で気難しい性格、ジョージは穏やかでフィルとは正反対です。フィルは弟ジョージをとても気にかけていますが、ジョージは兄と少し距離を置こうとしていて、この微妙な関係が本作の良い意味でつかみどころのない空気感を作り出しています。特にカンバーバッチが演じるフィルは何を考えているのかわからない不気味さがあり、温かいストーリーなのか、それとは真逆なのか、最後まで読めないおもしろさがあります。そんな流れを辿ってのラストでは「うわわわ〜」となって、ジワジワっとくるものがあります。敢えてそれがどっちの意味かはここで書きませんので(笑)、ぜひご自身で観て確かめてください。
実生活でパートナーのキルスティン・ダンストとジェシー・プレモンスの共演も見もの。ベネディクト・カンバーバッチに負けじとコディ・スミット=マクフィーもすごく雰囲気があって存在感を発揮していますので、いろいろな視点で楽しんでください。

デート向き映画判定
Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』キルスティン・ダンスト

カップルで観ることで特別気まずくなるようなシーンはありませんが、静かに展開するストーリーなので、普段あまり映画を観ない方にとっては好みが分かれるかもしれません。若干観察力を必要とするシーンや展開があるので、配信でご覧になる方は、家で何かしながら、2人で別の話をしながら気楽に観るというよりは、集中して観たほうが良いでしょう。そういう意味では配信で観る場合も1人でじっくり観るほうがオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』コディ・スミット=マクフィー

R-15相当となっており、内容も大人向けです。ティーンの皆さんはコディ・スミット=マクフィーが演じるピーターの目線で観る方が多いと思いますが、繊細な心がある出会いによってどういう影響を受けて、彼にどんな変化が表れるのかに注目して観てください。見た目に派手な展開はあまりないですが、嚙めば嚙むほど味が出るといったように、深いところまで理解できれば映画のおもしろさを一際感じられる作品です。映画ファンとしていろいろな作品にトライしたいティーンの皆さんは観てみてはどうでしょうか。

Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ベネディクト・カンバーバッチ

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
2021年11月19日より一部劇場にて公開、12月1日よりNetflixにて配信開始
R-15+相当
公式サイト

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ヨナス・ダスラー ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師【レビュー】

第二次世界大戦下のドイツに実在した牧師、ディートリヒ・ボンヘッファーは、ナチスに支配された教会やユダヤ人達を救おうと奮闘…

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』SUMIRE 佐藤菫【ギャラリー/出演作一覧】

1995年7月4日生まれ。東京都出身。

映画『プレデター:バッドランド』エル・ファニング プレデター:バッドランド【レビュー】

おもしろい!いろいろユニーク!“プレデター”シリーズは…

映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ モンテ・クリスト伯【レビュー】

アレクサンドル・デュマ・ペールの傑作小説「巌窟王」を映画化した本作は…

映画『秒速5センチメートル』松村北斗 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年10月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年10月】のアクセスランキングを発表!

映画『旅と日々』シム · ウンギョン/堤真一 旅と日々【レビュー】

つげ義春の「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作に、『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』などを手がけた三宅唱監督が映画化…

映画『風のマジム』肥後克広 肥後克広【ギャラリー/出演作一覧】

1963年3月15日生まれ。沖縄県出身。

【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】羽佐間道夫、山寺宏一ほか 人気声優達が真剣勝負!会場が終始笑いに包まれた【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】本番リポート

発起人である羽佐間道夫のもと、山寺宏一、林原めぐみほか錚々たる人気声優達がズラリと顔を揃えたライブは今年で20周年を迎えました…

映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。』ホン・サビン/シン・ジュヒョブ あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。【レビュー】

物語の始まりは、1995年の韓国、テグ。学校でいじめられていたドンジュン…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  2. 映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ヨナス・ダスラー
  3. 映画『プレデター:バッドランド』エル・ファニング
  4. 映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ
  5. 映画『秒速5センチメートル』松村北斗

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP