よしながふみによる、累計発行部数815万部(電子版込み/2021年9月現在)の人気漫画「きのう何食べた?」を映像化したドラマが、この度映画となって登場。私は漫画もドラマも知らずに、映画化したことで初めて知りました。ちょうど本作をマスコミ試写で観た帰りに、ミッドタウン日比谷を通るとこの作品の展示会がオープンスペースで実施されており(2021年10月末)、複数の女性が記念写真を撮ったりと、その人気がうかがえました。
映画の内容はというと、シロさんこと筧史朗(西島秀俊)とその恋人で美容師のケンジこと矢吹賢二(内野聖陽)の日常を描いたもの。ラブラブな2人ですが、些細なことで余計な心配をしたり、あらぬ想像で頭がいっぱいになって悶々としたりといった姿もコミカルに描かれていて、恋をしている人に共通する心情がとても愛らしく、共感できます。
そんな2人の生活のなかで、食卓は重要な役割を果たしています。好きな人のために作られた料理、その愛情がこもった美味しい料理を囲んで交わされる会話がとても温かく、観ていてホッコリします。料理は作り方から映してくれるので、料理好きにも興味深い内容になっています。そして、シロさん、ケンジともにチャーミングなので、このキャラクターと世界観に多くの女性が魅了されるのもわかる気がします。原作やドラマを観ていない方でもついていける内容なので、ピースフルな世界観に癒されたい方は観てみてください。
異性愛か同性愛かにかかわらず恋する人達に共通する悩みもあれば、同性愛だからこその難しさや悩みも描かれています。でも、根本は大事な人との関係を続けていく上で相手を思いやる気持ちが大切だということを教えてくれる内容なので、どんなカップルにもオススメです。一緒に観ると、普段話せない本音を話すきっかけにできると思います。
クスッと笑える要素もあって楽しい作品ですが、中年あるある的なネタは大人になってから観たほうが一層笑えると思います。でも、ラブストーリー、親子の物語として観たり、料理に興味がある方は、スイーツやおかずなどレシピの勉強にもなるので、いろいろな角度で楽しめます。友達や家族と観て、鑑賞後は美味しいものを食べながら会話を楽しむのも良いですね。
『劇場版「きのう何食べた?」』
2021年11月3日より全国公開
東宝
公式サイト
© 2021 劇場版「きのう何食べた?」製作委員会
© よしながふみ/講談社
TEXT by Myson