REVIEW

今宵、212号室で

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『今宵、212号室で』キアラ・マストロヤンニ/ヴァンサン・ラコスト

結婚して20年になる妻のマリアと夫のリシャールは、今ではすっかり“家族”になってしまい、マリアは夫に内緒で浮気を重ねています。しかし、夫に浮気がバレて…という物語。まず、フランスのお国柄なのか、キャラクター設定に過ぎないのかわかりませんが、浮気をした張本人のマリアが、夫に浮気がバレたにも関わらず、「結婚して20年も経っているんだから、浮気くらいするに決まってるでしょ」と、かなり開き直った対応をしているのには、驚く方も多いのではないでしょうか(笑)。そんな冒頭の様子から、夫婦の揉める様子が描かれていくのかと思いきや、20年前の若かりし夫が登場したり、夫の初恋相手が登場したりと、まさかの展開がどんどん続きます。そういった非現実的な要素が、マリアの夢なのか現実なのかは本編をご覧頂くとして、あくまで本作は夫婦関係についての物語が軸となっているので、夫婦それぞれの感情の動きに注目しながら観ると、非現実的な部分も含めて楽しめると思います。
上映時間87分の中に一晩の物語がテンポ良く描かれていてかなり観やすく、「次は誰が登場するの?」「この夫婦はどうなるの?」というハラハラドキドキ感をほど良く味わえるのもこの作品の良い点です。一夜の間に一体何が起きて、夜が明けると夫婦はどうなるのか、ぜひ見届けてください!

デート向き映画判定
映画『今宵、212号室で』キアラ・マストロヤンニ/ヴァンサン・ラコスト

付き合いたてのカップルが観ても問題ありませんが、付き合いの長いカップルや夫婦で観たほうがよりリアルに感じられて、親近感が沸きそうです。妻の浮気を発端に夫婦関係に亀裂が入っていくお話なので、観終わってから本作の夫婦について話し合うと、お互いの夫婦観を確認することができると思います。ただ感情移入し過ぎて、ケンカにならないよう気を付けてください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『今宵、212号室で』キアラ・マストロヤンニ/ヴァンサン・ラコスト/カミーユ・コッタン/バンジャマン・ビオレ/キャロル・ブーケ

テーマが夫婦関係で、ベッドシーンもあるので、キッズは大きくなってから観てください。ティーンもまだ共感できるポイントは少ないと思いますが、将来結婚した時に本作の夫婦のようにならないよう、反面教師として頭の片隅にこの作品を覚えておくと良いかも知れません。皆さんの場合は、まず恋愛からですが、これを機にどんな人と結婚したいか、どんな人となら長く結婚生活を続けられそうか、一度考えてみるのも良いと思います。

映画『今宵、212号室で』キアラ・マストロヤンニ/ヴァンサン・ラコスト

『今宵、212号室で』
2020年6月19日より全国順次公開
ビターズ・エンド
公式サイト

©Les Films Pelleas/Bidibul Productions/Scope Pictures/France 2 Cinema

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  2. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  3. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  4. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  5. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP