REVIEW

ムーンライト・シャドウ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ムーンライト・シャドウ』小松菜奈/宮沢氷魚

本作の原作は、吉本ばななの“キッチン”に収録される短編小説“ムーンライト・シャドウ”で、以前から原作のファンだったというマレーシア出身のエドモンド・ヨウが監督を務めています。物語は、ある日突然愛する人を亡くした主人公さつき(小松菜奈)が、死者ともう一度会えるかもしれないという“月影現象”を通し、悲しみと向き合っていく姿が描かれています。恋愛の楽しい一面も映し出されていますが、どちらかというと恋人を亡くした主人公の喪失感や悲しみに焦点が置かれた物語で、観客も主人公の感情を疑似体験しながら観られます。
小松菜奈と宮沢氷魚が演じた恋人役は、本作の雰囲気にピッタリで2人の美しさがさらに際立っていたように感じます。他にも佐藤緋美、中原ナナ、臼田あさ美らが共演していて、それぞれ個性的なキャラクターを演じています。個人的には臼田あさ美が演じた麗の少し怪しげな雰囲気がとても好みだったので、皆さんもぜひお気に入りのキャラを探してみてください。
愛する人との別れは悲しいことですが、その後も続く自分の人生をどうやって歩んでいけば良いのかそっと教えてくれる作品です。現実と夢の狭間のような少し不思議な世界観も味わえるので、観賞後の余韻も含めお楽しみください。

デート向き映画判定
映画『ムーンライト・シャドウ』小松菜奈/宮沢氷魚/佐藤緋美/中原ナナ

気まずくなるようなシーンがないので、どんなカップルでも観られます。本作では恋人の死と向き合う主人公の姿が描かれていますが、カップルで観ることで相手のことをより大切に思えて、絆が深まる効果も期待できるのではないでしょうか。また、人を愛することの素晴らしさも感じられるので、最近恋愛をしていない方にとっても良い刺激を与えてくれそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ムーンライト・シャドウ』臼田あさ美

恋愛と死というテーマが上手く組み合わさった作品なので、皆さんにも観て欲しい1作です。また、さまざまな登場人物に感情移入しつつ、自分なりに人の死について考えるきっかけにもなりそうです。もし本作を気に入ったら、原作を読んでみたり、吉本ばななの他の映画化作品を観てみるのもオススメです。

映画『ムーンライト・シャドウ』小松菜奈/宮沢氷魚

『ムーンライト・シャドウ』
2021年9月10日より全国公開
エレファントハウス
公式サイト

© 2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『レイブンズ』瀧内公美さんインタビュー 『レイブンズ』瀧内公美さんインタビュー

写真家、深瀬昌久の78年に渡る波瀾万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて描いた映画『レイブンズ』。今回は本作で、深瀬昌久の最愛の妻であり被写体でもあった洋子役を演じた瀧内公美さんにインタビューさせていただきました。

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン ミッキー17【レビュー】

『パラサイト 半地下の家族』で第92回アカデミー賞(作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞)を受賞したポン・ジュノ監督(脚本、製作を兼務)が、この度制作したハリウッド映画は…

映画『ANORA アノーラ』マイキー・マディソン マイキー・マディソン【ギャラリー/出演作一覧】

1999年3月25日生まれ。アメリカ出身。

映画『BAUS 映画から船出した映画館』染谷将太 BAUS 映画から船出した映画館【レビュー】

2014年、東京都、吉祥寺の映画館“バウスシアター”が閉館となりました。本作は、この映画館を親の代から運営してきた本田拓夫著…

映画『白雪姫』レイチェル・ゼグラー 白雪姫【レビュー】

1937年に製作されたディズニーの『白雪姫』は、世界初のカラー長編アニメーションであり、ウォルト・ディズニー・スタジオの原点とされています…

映画『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』 ニンジャバットマン対ヤクザリーグ【レビュー】

バットマン・ファミリーが戦国時代の歴史改変を食い止めた『ニンジャバットマン』の続編…

【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性 自分を知ることからすべてが始まる【映画でSEL】

SEL(社会性と情動の学習)で伸ばそうとする社会的能力の一つに「自己への気づき」があります。他者を知るにも、共感するにも、自己をコントロールするにも、そもそも自分のことを全く理解していなければ始まりません。

映画『悪い夏』北村匠海 悪い夏【レビュー】

REVIEW染井為人著の原作小説は、「クズとワルしか出てこない」と話題を呼び、第37回横溝…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』Kōki,/渡邊圭祐/綱啓永 女神降臨 Before 高校デビュー編【レビュー】

本作は、縦スクロール形式のデジタルコミック“webtoon”で人気を博したyaongyi(ヤオンイ)作の同名コミックを原作としています…

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ 教皇選挙【レビュー】

圧倒されっぱなしの120分でした。教皇に“ふさわしい”人間の境界線をテーマに、神に仕える聖職者達の言動、ひいては人格を通して…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  2. 映画『風たちの学校』
  3. 【映画でSEL】海辺の朝日に向かって手を広げる女性の後ろ姿

REVIEW

  1. 映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン
  2. 映画『BAUS 映画から船出した映画館』染谷将太
  3. 映画『白雪姫』レイチェル・ゼグラー
  4. 映画『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』
  5. 映画『悪い夏』北村匠海

PRESENT

  1. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
  2. 映画『私の親愛なるフーバオ』
  3. 映画『デュオ 1/2のピアニスト』カミーユ・ラザ/メラニー・ロベール
PAGE TOP